第76話 次期部長は誰がする?

 【ネガティ部部室内・舞奈視点】


 四大茶部総会始まった頃かなぁ……2人共大丈夫かしら?

 まぁ美代お姉ちゃんはともかく一矢はしっかり者だから大丈夫だとは思うけど……


「美代お姉ちゃん達、大丈夫ですかねぇ? とっても心配ですね?」


「まぁ、舞奈ちゃんが心配するのも分かるけど、一矢君が一緒だから大丈夫じゃないかな? それに生徒会が間に入っているんだしね……」


 やはり菜弥美先輩も一矢が一緒にいるから安心しているんだわ。でも総会に出席しているメンバーのプロフィールを菜弥美先輩から聞いたらさすがに少しは心配になっちゃうんだよなぁ……


 生徒会長の海藤襟斗かいどうえりとさん……成績優秀、スポーツ万能のスーパーマンみたいな人で1年生の秋から2年連続で会長をしているらしい。


 毎回、テストでは美代お姉ちゃんに次ぐ学年総合2位の成績で子龍先輩に負けづ劣らずの人気者でファンクラブもあるらしいわ。


 海藤……どこかで聞いた事のある苗字なのよねぇ……どこで聞いたのかしら?

 まぁ今はそんなことはどうでもいっか。


 そして副会長の卯馬霧亜ううまきりあさん……彼女も同じく成績優秀でスポーツも万能らしい。いつも海藤会長の傍で支えている女性で学年総合は毎回の3位だという。


 続いて『アクティ部』についてだけど部員達は全員、海藤会長以上にスポーツ万能の人達の集まりでその中でも部長の根津元気さんはどんなスポーツにも対応が出来るというか、何をやらせても運動部レギュラーよりもレベルが高いらしくて様々な部活から大会の助っ人要請がくるらしい。


 そして彼等が助っ人として入った大会のほとんどが優秀な成績をおさめているそうなの。そう言えば学園の入学案内にも数々の賞の紹介がされていたわ。


 次に『クリエイティ部』だけど、部員全員が様々な分野の一流アーティスト集団らしい。中にはプロもいるそうなの。そしてそのプロ筆頭が部長の津田獏葉つだばくはさん。彼女は大人気イラストレーターだそうだ。


 ただ1つだけ難点なのは彼女はルイルイと同様に口が悪いってことかしら。


 一矢達、大丈夫かな? 津田部長にめちゃくちゃなことを言われていないかなぁ?


 最後に『ポジティ部』……説明するのがめんどくさくなったから割愛するわ。ポジティ部を語るとどうしても『あの男』が目に浮かんじゃうしね。


「先程、菜弥美先輩がおっしゃっていた今日の総会のメンバーのプロフィールを聞いたら、凄い人達ばかりなので、とても不安になるんですけど……それに、その生徒会長さんも何だかとても怖そうだし。津田部長しか呼ばないあだ名の『クールメガネ』でしたっけ? その『異名』だけでも想像したら怖いんですけどぉぉ」



「そうね……私も前からあの人達のキャラは知っているけど……『普通』の人なんて一矢君しか居ないんじゃないのかな? でもまぁ、一矢君に『普通』って言葉は禁句だけどね……プッ……」


「テ、テルマッ!! そ、それは一矢君に失礼だぞ!! プッ……」


「何よ、子龍……あんたも噴き出してるじゃない? 後で一矢君に報告するから覚悟しておくことね……」


「テッ、テルマ!? いいいや、テルマさん!? それだけはどうかご勘弁を!! 僕は一矢君にだけは嫌われたくないんだよぉぉ!!」



「フフフ……おいミジンコ共? そんなに心配する必要は無いと思うぞ。四大茶部の部長達は『変人』揃いだが、根は悪い奴等ではないからな。それに総会の雰囲気はそんなに悪くは無いと思うぞ。それにヤミヤ』が言っている通り、ミヨミヨには新ヒトヤン様が付いているからな。彼は意外と、ああいった『変人ども』に気に入られているかもしれないぞ?」


「ルイルイみたいにね!!」


「ほ~『ヤミヤミ』も随分と言う様になったじゃないか? これはもう次期部長確定だな!?」


「ぶ、部長ですって!? それは勘弁してよぉ!! 部長になんてなったら私の悩み事が更に増えて大変な事になっちゃうわ!! 部長はテルマか子龍がやればいいのよ!!」


「な、何を言ってるのよ菜弥美!? 何で私が部長なのよ!? 人の視線が気になる私が上に立てる訳ないじゃない!! それに普通は副部長が部長になるのが当然じゃないの!!」


「そ、そうだよ菜弥美!! テルマの言う通りだぞ!! この僕も部長になれる訳無いじゃないか!! これだけは自信を持って言える……この『首の角度にかけて』なっ!!」


 子龍先輩、全然かっこよくないですよぉ……

 ほんとこの人は残念イケメンだなぁ……


「子龍、そんな訳の分からない自信なんて要らないわよ!! それに『首の角度にかけて』って何!? まずはその首の角度を治す為に整形外科にでも行ってきなさい!!」


「まぁまぁ先輩達、落ち着いてください。そんな事を言い争っている場合じゃ無いじゃないですか? 今は四大茶部総会に出席している2人を陰から応援しなくちゃいけないじゃないですかぁ? それに誰も次期部長になりたくないのならいっその事、一矢が部長になれば良いんですよぉ!! だってポジティ部のテンテン部長だって1年生の時から部長だったんですから何の問題は無いと思いますし……」


「あっ、本当ね!! その手があったわ。流石は舞奈ちゃん!! その意見に全員賛成するわ。お陰で落ち着いて2人の応援が出来そうだわぁ……でも、応援といっても何もできないけどねぇ。やっぱり2人が居ないと、とっても暇だし……う~ん……まぁ、暇つぶしに皆でトランプでもやろうか?」


「 「 「賛成!!」 」 」



 “フフフ……ほんと面白い奴等だな。まぁ、総会自体は大して問題は無いだろう……”


 “……だが問題は、今回の総会にあげられる『議題』だな。その議題の内容を聞いて、あの2人がどういった対応をするのかが非常に楽しみだ。フフフ……”



 へ? 何かルイルイが怪しい微笑みをしていたような……また何か悪だくみでも考えているんじゃないでしょうね!?







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