第77話 エグゼクティ部からの要求
その頃、生徒会室で開催中の『四大茶部総会』では……
「えっ、『エグゼクティ部』からの要求?」
ってか、エグゼクティ部って部があるのか?
全然知らなかった。一体、どんな部なんだろう?
「そうだ布津野君、エグゼクティ部だ。この部は創部されてまだ2年程の学園の中では1番新しい部なのだが、その部長から『エグゼクティ部は創部してからずっと学園にかなりの貢献をしている。だからうちの部を『四大茶部』に加えるべきだ』との要求があったのだ……」
へぇ、創部2年程の部がよくそんな大それた事を言えるよなぁ……
「ハッハッハッハ!! カイカイ、それは面白いね~っ? って事はこれからは『五大茶部』って呼び名に変わるのかな!?」
「それは無い天翔、この歴史ある『四大茶部』はこれからも永遠に4つの部で『四大茶部』のままだ!!」
「ふーん、じゃあ、その要求は『却下』でいいって事だよな? ってことで次の議題に移ろうぜ海藤!!」
「いや待て根津にぃ。この四大茶部は学園の中で一番古くからある4つの部が『ある出来事』をキッカケに結成され、これまで20数年続いてきただけだ。しかし今の時代ではこの4つの部にこだわる必要なんて何も無い。当時、『四大茶部結成に関わった1人でもある名染伊学園長も私と同様の事をおっしゃっている……」
学園長が結成に関わった1人?
ってことは親父も関わっていたんじゃないのか?
「じゃあなんだい、『クールメガネ』? 私達いずれかの部が外れて、その『エグゼクティ部』が新たに加わる可能性もあるということかいっ!?」
「まぁ、そう言う事だ……」
「フンッ、ふざけるんじゃないよ!! アタシ達のクリエイティ部はこの学園の『秀でた才能』の集まりなんだよっ!! 今までうちの部員がどれだけの分野で、数多くの賞を受賞してると思ってるんだいっ!? そのお陰で毎年この学園の入学者も増えているって聞いてるぞ!!」
「まぁ、落ち着いてちょうだい津田さん。私達生徒会も学園の先生方もあなた達の部活がどれだけ、この学園に貢献しているかは重々承知しているから……」
「
「そうなの~っ!? カイカイ、人が悪いな~っ!! そういう事はもっと早く教えておいてくれよ~っ!?」
そ、そうなのかっ!?
やはり親父の時代もそうだったけど、ポジティ部は今でも社会貢献してるんだなっ!? テンテン部長があんな感じだから全然想像できなかったけども。
「それとアクティ部は勉強は出来ない『バカ集団』だがスポーツにかけては学園内トツプクラスの集団……1つの種目では満足出来ない者達が集まった集団……そして各運動部の助っ人に入る度に各運動部の様々な大会での活躍に貢献してきているのも言わずと知れた事だ……」
「海藤、バカ集団ってのは余計だぞぉぉ……」
そ、そうだったのかっ!?
前からうちの学園は色々な運動部が強いとは聞いていたけど、アクティ部の人達が陰で手伝っていたからだったのか!? これには納得だな!!
「そして最後にネガティ部……」
来たっ、俺達の番だ!!
「ネガティ部は今までこの学園の為に何か貢献をしてきたのかな?」
「えっ……?」
「越智子部長、どうかな? 君達は今までネガティ部として何をしてきたのだ?」
「えっ? えぇ~……そ、それは……」
美代部長、くれぐれも『毎日、お茶を飲みながら他愛もない話をしていただけ』なんて言わないでくださいよ!!
「まっ、毎日、部員の皆さんと部室でお茶を飲みながら楽しく会話をしていました……」
うゃぁ―――っ、言っちゃったよ―――っ!!
この人包み隠さず言っちゃったよ―っ!!
「はぁぁ、会長やはりお伝えすべきですね……」
「そうだな副会長……」
ん? 何を伝えるんだろう??
「実はエグゼクティ部の部長はこうも言っているのだよ。『私達エグゼクティ部はネガティ部なんかよりも学園に貢献しているのだから、そろそろ四大茶部から役立たずのネガティ部を外して私達エグゼクティ部を四大茶部に加えるほうがよっぽど学園の為だろう』ってね」
「え―――っ!? ネガティ部を名指しですか!?」
それに酷い言われようだぜ……
「布津野君の為に皆さんが四大茶部にこだわっている理由を説明しましょう」
「え? お、お願いします。卯馬副会長」
「皆さんが一番こだわっているのは部費に関してです。四大茶部には毎年4月に一括でお支払いしている部費は48万円です。しかし他の部は文化部、運動部関係なく年間の部費は24万円なの。それだけで皆さんがこだわる理由が分かるしょう?」
「よっ、48万!?」
えらい中途半端な額だな!? あ、でもそうか。毎月4万円で計算しているんだな?
しかし、うちの部ってそんなに部費を貰っていたのかよ!?
全然知らなかった……で、そんな大金、毎回うちの部は何に使っていたんだ!?
「もう1つ、私から補足をしておこうか。4月に今年度の分、48万円を支給したが今は6月下旬という事で、もし四大茶部から除名されれば少しおまけするとしても約40万円の返金をしてもらう事になるな……」
「え―――っ!? よよよ、40万円!?」
み、美代部長これはヤバいですよ。大丈夫なんですか!?
ってヤバイ!!
美代部長の顔色が真っ青だ―っ!!
これは美代部長に確認する必要があるぞ。
(ヒソヒソ……美代部長……もしネガティ部が四大茶部から除名されたとしたら40万円のお金は直ぐに返金できるのですか?)
(ヒソヒソ……す、すみません一矢君……実は新年度ということもあり頂いた部費のほとんどを……部室の高級食器棚、高級テーブル、高級茶器を新しく買い替えてしまいましたので、残金はほとんど無いと思われます……本当にに申し訳ありません。私、死んでお詫び申し上げますので……)
えぇ―――――――――――――――――――っ!!??
マジか―――――――――――っ!!
そういえば部室の食器棚とか埃かぶってるけど、よくよく思い起こせば高級そうな食器棚だったような……ってか、何で高級にこだわる必要があったんだよ!?
それに美代部長は死にたくないから俺をネガティ部に誘ったんでしょ!?
そんな人が俺の前で『死ぬ』とか簡単に言っちゃダメだっつ――――の!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます