第4章 勉強会編
第40話 勉強させてくれよ
「おい、フツオ~もうすぐ中間テストだけど、お前大丈夫なのか~?」
「えっ、何でだよ?」
「だってお前、毎日授業中ウトウトしてるじゃないか。ちゃんと授業を聞いているとは思えないぜ。まぁ家で遅くまでテスト勉強をやっているんなら、問題はないけどな~」
モブオの奴、俺の事も観察してるのか!?
で、でもモブの言っている事は大当たりだ。
最近の俺は超寝不足気味で授業中眠くて眠くて、まともに先生の話なんて聞けていないんだよ。
何で俺が寝不足なのか、言わなくたって分るよな!?
でも聞いて欲しいから言うけどな!!
そう、毎晩舞奈や先輩達から次から次へとメールが来て、そのやり取りをしていたらいつの間にか深夜になって、いつの間にか俺は寝てしまっている。そして直ぐに朝が来てしまうんだよ。眠たいったらありゃしない!!
俺はこの約1ヶ月半、そんな生活がずっと続いているんだよ。
「ああ……最近寝不足気味でなぁ……それに家で勉強もできていないんだ。俺、今回の中間テストはマジでヤバイかもしれないよ……」
「オイオイッ、高校生になって最初の中間テストで赤点なんか取ってしまったら後々大変な事になってくるぞ!! それに中間テストでそれなりの点を取っていたら期末テストが少し楽になれるのにさぁ……」
モブオ……
お前、モブオのクセに何『普通』に良い事を言っているんだ?
『普通』は俺の専売特許だろっ!? って、俺は『普通』じゃなかった!!
危うく俺が『普通』だという事を認めるとこだったぜ!!
「ところで、舞奈ちゃんは中間テストの方は大丈夫なのかい?」
「えっ、私? う~ん、そうねぇ……私は大丈夫だと思うわ」
「ちょ、ちょっと待て舞奈!? お、お前も俺と同じで寝不足じゃないのか!?」
そうだよ。舞奈だって寝不足じゃないと絶対おかしい!!
舞奈も夜遅くに俺とメールのやり取りをしているんだからな。
それなのに俺だけが寝不足なんてあり得ねぇ!!
「えっ? 私も少しは寝不足かもしれないけどさぁ、勉強はちゃんとしているわよ。夕飯食べてからお風呂に入るでしょう……そしてお風呂から上がるのがだいたい9時頃でぇ……そしてそこから11時までは勉強しているし。そしてその後一矢にメールをするって感じかな。それで、12時くらいには寝るって感じかな……」
「なっ、何だよ舞奈!! お前は俺にメールする前にちゃんと勉強してるのかよ!?」
「当たり前じゃない!! 勉強は学生にとって『本分』よ!!」
ま、舞奈まで『普通』に当たり前の事を言いやがって……
『普通』は俺の……まぁ、そんな事はどうでもいいんだ。
それよりも俺の『夜の時間』に問題ありだ!!
いや、呼び方を変えよう!! 何か聞こえが変だよな!?
そ、そうだ!!
よ、『夜のスケジュール』を振り返ってみようっ!!
俺も舞奈と同じで風呂が終わるのは9時頃だ。
するとしばらくしてからまずは美代部長からメール及び自撮り写メが送られてくる。
美代部長とのやり取りが約1時間。ほぼ
そんで、10時頃に菜弥美先輩から『菜弥美の悩み事ランキング』が日替わりで送られてくる。しかし悩みが尽きない人だよな。
その悩み相談に応えていき最後に菜弥美先輩の可愛いお礼自撮り写メが送られるのが11時頃……
それから直ぐにテルマ先輩から無言メールが数回送られてくる。これって犯罪に近く無いか? それで俺が飽きてくるので『内容が無いよう!!』という親父ギャグ的な突っ込みメールを入れるとようやくテルマ先輩から『そのギャグつまんない』という冷たーい返事が届く。
ただメールがやりたいだけなくせに何という冷たい返信だ!!
と突っ込みたいところではあるが、最後にテルマ先輩からも俺なのかは定かではないがめちゃくちゃキュートで天使の様な自撮り写メが送られる。
勿論それは有難く頂き、俺の宝物として大切に保存している。
近々、3人の写真集を発表出来そうなくらいに写真が集まっているぞ!!
話を戻すがテルマ先輩とのよく分からないやり取りが約30分……
そうこうしている内に今度は子龍先輩の自撮り写メが送られてくる。
俺が一番腹が立つ時間帯だ!!
一応、適当に褒めてから即消去している。
そして先ほど本人が言っていた通り、舞奈が11時頃にメールをしてくる。
そのやり取りが終わるのが12時頃……
で、ようやく落ち着いたと思ったら最後にルイルイからまでメールが来るんだよ!! おかしいだろ!? 何で顧問まで俺にメールをしてくるんだよ!?
それも毎回どうでも良い様な内容だしさ……
でもそう言えば最近、ルイルイからの自撮り写メは来ないよな?
って、俺は何を期待しているんだ!!
いずれにしても毎日平日の昼間は授業と部活があって家に帰ってもメール攻撃……
休みの日は日頃の疲れで10時頃まで寝てしまう俺……しかし最近俺は11時から土日限定でお弁当屋さんのアルバイト始めたので休日ゆっくりしている時間は無い。
バイトが終わり家に帰るのが夜8時頃で、そこから夕飯に風呂……そして土日も関係無くそれぞれ同じ時間にメール攻撃が始まる。
・・・・・・
おっ、俺はいつ勉強すれば良いんだよ!?
「と、ところで舞奈、どうしてお前達は俺にメールする時間が見事に
「えーっ!? 一矢、知らなかったの? 私達、一矢が全員と同じ時間にメールのやり取りをするのは大変だと思ってさ、それぞれ時間を決めてメールしてるのよ。その方が楽でしょう? ねぇ一矢~、どう? 私達、結構一矢の事を気遣っているでしょ?」
・・・・・・
きっ……きぃ…… き〜っ!!
気の遣い方、間違ってるだろ!!
それならグループメールで一度に済ませてくれればいいじゃないか――――――――――っ!!
――――――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
新章『勉強会編』が始まりました。
どうぞ宜しくお願い致しますm(__)m
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