第2章 ネガティ部顧問登場編
第21話 俺は語り部か!?
『ネガティ部』に正式入部してから一週間……俺の学園生活は少しずつ変化している。
例えば俺はあの中庭での出来事以来、学園の生徒達から『普通の子』からランクアップして『なんか凄い普通の子』になったそうだ。
フンッ、俺からすれば『普通』っていうワードが消えていないし、全然嬉しく無いけどな!!
それからネガティ部の面々だが、美代部長は相変わらずすぐに落ち込むし、それに対しての『お詫びメール』が毎晩来て、俺は慰めと励ましのメールを送っている。
それで、ある程度元気になった美代部長は、自撮りの方法を覚えたのだろう。必ず学園ではあまり見せない笑顔の自撮り写メを送ってくるようになった。
それがめちゃくちゃ可愛くて俺にとっては良いオカズに……いや、宝物になっている!!
菜弥美先輩は、部活で散々俺に悩み事を聞かせてくるのに、帰ってからも毎晩俺に『菜弥美の悩みメール』ってタイトルまで付けてメールをしてくる。
今までに七つくらい悩み事を聞かされたような気がするんだが……
本人にとっては凄い悩みなんだろうけど、俺からすればいずれも全然大した悩みじゃ無いんだけどな。
しかし、うまい具合に美代部長と時間が被らないから良い様なものの、俺とすれば毎晩二人の相手をするのは大変だ。
ふ、二人の相手って言っても別に変な事をしている訳ではないからな!!
メールの話だからな!! メールのな……
そういえば菜弥美先輩がメールの中で間もなく『悩み事ランキング2位』が復活してしまうって言っていたけど、どういう意味だろう?
意味を聞いても何故だか教えてくれなかったんだよなぁ……あれだけ俺に悩み事を聞かせているくせに何で2位は教えてくれないんだろう?
まぁ、いずれ分かるかもしれないけど……
それよりも俺としては『悩み事ランキング1位』の方が気になるけどな。
そしてテルマ先輩だが部員以外の視線に対して厳しいのは変わらない。
変わったとしたら、入部したばかりの俺に対する接し方よりも今の方が色々と距離が近くなった気がする。
部室の席なんかは、俺がどの席に座ろうと常に俺の横に座ってくる。
それって『距離が近い』というより『席が近い』って事か!?
いずれにしても、何だか飼い主にくっついて来るペットみたいで、頭ナデナデしたくなる程めちゃくちゃ可愛い~って、本人には絶対言えないけどな!!
テルマ先輩が俺に対して恋愛感情なんかは絶対無いと思うけど、同じコンプレックス同士という強い仲間意識があるから近くにいるのかなぁと俺は思つている。
それから子龍先輩だが相変わらず『沈黙の45度』だ!!
いや違うな。少しだけ変化したかな?
性格に測った事は無いけど、俺や他の部員に対しての顔の向きは40度くらいにはなった様な気がするかな。
まぁ、あくまでも気がするだけだが……
ただ、何となくだが子龍先輩なりに努力をしようとしているのは見受けられる。
それと『何か違う感情を持ってしまいそう』ってのも、今の所大丈夫そうだ。
俺からすればそれが一番気になるところだ。
これだけは絶対に勘弁して欲しいよ。学園中の女子に恨まれるからな!!
って、恨まれる何て事はどうでも良いんだ、マジで勘弁してもらいたいぜっ!!
最後に『舞奈』だが……
あっ、俺も寿志光のことを呼び捨てで呼ぶようにしたんだ。
だって俺だけが『舞奈さん』って呼ぶのは不公平だろう?
ただ、それに関して一つ問題がある。教室でもお互いに下の名前で呼び合っているから、クラスの連中からは付き合っていると勘違いされているのだ。
お陰でクラスの男子からは嫉妬の視線が……まぁ仕方無いけどなぁ……
あれだけの美人でナイスバディだしな。
そんな舞奈は、相変わらずクラスの女子達とは話もしていない。
本当に友達は俺だけで良いんだろうか?
ちょっと心配なところだな。
心配と言えばクラスの女子の中心的存在で赤髪で美人ではあるけど目が少しだけつり上がり気味で怒ると怖そうな……名前は何だったっけ?
確か出席番号が最後の方の名前なんだが……
う~ん、えっと~『わくるい…せいか』?
きっとそうだ。名前は『
その、どう見ても名前からして性格悪そうな和久塁に目をつけられてる様に感じるんだよなぁ……舞奈が初登校して来た日も一番、舞奈のことを睨んでいたもんなぁ……
いつかきっと舞奈に何かやりでかしそうだぞ。
俺としては同じ部活の仲間で、舞奈の唯一の友達として守る義務がある!!
……のか!?
『ボッチ』で良いと決めたのは舞奈本人だかしな!!
それなのに何故俺が舞奈を守らなければならないんだ!?
でも、舞奈に何かあれば従姉妹である美代部長が悲しむよなぁ……
やっぱ何かあれば舞奈のことを守らないといけないよな。
あぁ~、常に気を使わせる奴だなぁ。それって本当に友達なのか?
それとついでに言っておくが、俺の悪友『モブオ』だが、あいつも先日俺と同じ文化部に入部したそうだ。
まぁ俺はあいつのことは全然興味が無いから、どんな部活に入部したのか聞いてはいないが、どうせあいつが得意な情報集めを活かす為に、『新聞部』にでも入部したんじゃないのか?
まぁ、どうでもいいけどな。
さぁ、これだけ語ればそろそろ本題に入ろうと思うんだが……ん?
も、もしかして今回はこれで終わりか!?
まさか……マジでそうなのか!?
マジで今日は俺の語りだけで終わりなのか!?
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お読みいただきありがとうございました。
第2章開始です。どうぞ宜しくお願い致しますm(__)m
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