第18話 全員集合しちゃったよ
「舞奈ちゃん、良かったですねぇ……一矢君とお友達になれるなんて幸せ者ですよ」
「み、美代部長、それは言い過ぎですよ」
「ほんと、良かったわ。これで死なずに済むし……」
「えっ、そっちかよ!?」
「フフッ、冗談よ。でもこれで布津野君も死ななくて済んだんだからお互いに良かったじゃない?」
「あ、ああ……まぁ、そうなんだけども……」
まっいっか。占いはさておき、こんな美少女と友達になれたのは確かなんだし、素直に喜ぶとしようか。
「おーい!! 美代部長に一矢君、部室にも来ないで、そこで何してるの~?」
わ~っ!! 菜弥美先輩達が来ちゃったよ!!
中庭にネガティ部員が勢揃いしちまった……
寿志光さんが不安な顔をしているぞ。そりゃそうだよな? たった今、友達は俺だけでいいって言っていたところだし……まぁ、幸い全員、2年生の先輩だし、友達関係になるって事にはならないから言いようはあるけど……
「寿志光さん? あの人達は俺が所属している部活の先輩達で、なんと美代部長がその部活の部長をされているんだ」
「えっ、あの人達は布津野君の部活の先輩で美代お姉ちゃんがその部活の部長……? そ、そうなんだぁ……」
ふぅ、全員、先輩だと知って寿志光さん、少しホッとした表情に変わったな?
そして先輩達が俺達のところへやって来たが、当然の如く、全員寿志光さんのことを気にしているようだ。
「こんにちは~ところで見かけない子がいますが二人の知り合いですか?」
「えぇ、そうなんです。この子は舞奈ちゃんと言って、私の従姉妹なんです」
「へぇ〜っ、従姉妹ですか!? これでスッキリしましたよ。さっきから「あの子は誰なんだろう」って考えてたら、また悩みが増えそうになってたんで……どおりで美代部長の従妹だけに美人さんですねぇ? あ、私は2年の
菜弥美先輩、それくらいで悩まないで下さいよ!!
ほんとマジでッ!!
「私はテルマっていうの……でも苗字は言いたくないから、一生聞かないでね?」
テルマ先輩、相変わらず苗字を気にし過ぎてるよなぁ~
そういう俺も気にしてるけどさ。
「ぼ、僕は、
あぁ……子龍先輩は後輩の寿志光さんの前でも『沈黙の45度』ですか!?
まぁ、自己紹介はしたから沈黙ではないけども……
ただ、先輩達が挨拶しても寿志光さんは軽く会釈しただけで何も話していなったよな? でも先輩に対してそいう態度もどうかと思うし、俺から寿志光さんに何か話す様に促した方がいいかな?
「み、皆さん初めまして。私は
解消って……どんだけ『マイナス思考』なんだよ!?
まぁ彼女の性格からすれば仕方ないんだけど……でもまぁ、ちゃんと返事をしてくれただけでも良しとするか。
「へぇ、そうなんだなぁ……一矢君と唯一の友達なんだぁ……」
「こんな可愛い子が一矢君のお友達……」
「僕と一矢君は友達なのだろうか……?」
なんか先輩達がブツブツ独り言を言っているけどどうかしたのか?
ガヤガヤ……ガヤガヤ……
ん? なんか周りが騒がしくなってきたような……
わっ、何だ!? いつの間にか各階の窓から中庭を眺めている生徒がめちゃくちゃ増えているじゃないか!?
それも間違いなく全員が俺達を見ているし……
そりゃそうだよな。なんてったって、学園トップクラスの美男美女が中庭に集結しているんだからな。目立たないはずがない……
「わぁ〜見て~!? ネガティ部の人達よ!! はぁぁぁ、子龍君っていつ見てもやっぱり素敵だわ~!! あの首の角度もとってもセクシーだわ~♡ それで隣にいる普通の子は誰なのかしら?」
「お~!! あそこにいるのは残念部長の越智子先輩だ!! 相変わらず凄い美人だよなぁぁ……んで、あの隣にいる普ッ通〜の奴は誰なんだ?」
「おーっ!! 我らが2年生のアイドル、菜弥美様がいるぞーっ!! 決して俺達は彼女に近付けないのに、何であんな普通の奴が菜弥美様と気安く会話をしているんだ!?」
「バカ野郎!! 2年生のアイドルはテルマちゃんに決まっているじゃないか!! あの可愛らしい姿はずーっと見ていても見たりないくらいだ。それなのに何であの普通の少年があんな間近でテルマちゃんを見る事を許されているんだ!?」
「ちょっと待て!! な、なんかこの学園で一度も見た事無い子がいるけど、めちゃくちゃ可愛くないか!? 桃髪ツインテールも凄く可愛いし、何と言ってもあのスタイル……な、なんてナイスバディなんだ~っ!! あの子はネガティ部の新入部員なのか!? それにしても、その横にいる普通の奴は誰だよ!? クソっ、羨ましい……」
・・・・・・・・・・・・
お前等、普通普通普通ってうるせ――――――よ!!!!
俺にメッチャ失礼過ぎるだろーが!!!!
ではなにか?
俺が落ち込んで悩んで気にし過ぎて不安な事ばかり考えて最終的に首を45度に曲げれば普通じゃなくなるのかよ――――――っ!!??
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