第2話 私はもしかして...

私、土門ミリアは大手企業の社長の娘である。


母を亡くし仕事に専念する父は私よりも仕事しか見てこなくなった。


そんな私のところにとある情報が飛んできた。


〈少年100万で売られる〉


今のご世代売られることは対して珍しすぎるわけではないが私からしては可哀そうだと思い詳細を詳しく見ていった。


 ・16歳


 ・男


 ・父親が借金を抱え仕方なく売却


 ・頭はよい方


 ・料理や洗濯などの家事は全部こなせる


                      etc...


他にもあったが一番気になったのは


〈父親に捨てられた〉という部分だ。


自分も父親に見てもらえなくなりこの少年と自分が重なって見えた。


お小遣いは溜めていて家が2軒建つくらいのお金は持っていたから買ってしまった。


これが運命の一歩とは知らずに...



_____________________


さて...今は少年を迎えに行くところだ。


予定よりちょっと早くに家に着くと見覚えのある制服を着た少年がいた。


少年が家の中に入ると私は扉の前に行って中の音を聞こうとすると驚いているような音がした。


もしかしてと思い戸をたたく。


「はーい」


「こんばんは漣君。あなたの父にから買わせていただきました“土門つちかど ミリア”と申します。」


すると最初は私を見てうっとりするような顔をしてから急にびっくりしているような顔をした。


「買わせていただいた?えっ?...ちょっと待ってください!」


そういって中に入っていった。


「もしかして彼売られていること知らなかったの?」


だとしたらそれはひどい話だ。


人な売買は買う方はどうであれ売られる方は生殺与奪の権を握られる。


つまりは自分の人生を支配されることに等しいのだ。


そんなことが知らないところで勝手に決められたのだ。


この少年の父親は最低だと思った。


その瞬間私はこの子を守りたいと思い始めた。


まぁ時間をかけすぎだとあれだから声をかけようと中に入ると


さっきの顔とは別人の悔しがったり悲しかったり恨んでいるような顔をしていた少年がいた。


とりあえず一言かけよう...


「わかりましたか?」


そういうと少年はびっくりしたように肩をびくんと振るわせると...


「あ、待たせてすみません...一つ質問いいですか?」


「なに?」


「僕これから何をするんですか?」


たしかに...私はいったいこの少年に何をさせるのだろう...考えても思いつかなかったから


「んー...あんまり決めてないんだよね。」


正直に言った。


そうすると少年は狐につままれたような顔をして


「えっ?...なんで僕を買ったんですか?」


といった。


守りたいからというのは恥ずかしかったから


「ただほしかったからってのと同じ学校でしょ?宿題とか教えてよ。」


「えっ?同じ学校?」


「そうよ?同じ上出高校でしょ?」


自分の学校と同じ制服を着ていたから多分と思って言うと


「そ、そうですね...」


と驚きを隠せてない表情で答えた...なんか可愛い。


「あなたのことは大体は把握できてるよ。市川 漣君」


「は、はぁ...」


まぁあの情報でしか知らないけど。


さて彼をそろそろ我が家に迎えてあげましょうか...


「まぁ立ち話もいいから早くいきましょ?」


「は、はい」


と少年はそういうと急いで持っていくものをまとめてこっちに来た。


そして漣君は車を見るとびっくりしたのかピタッと動きが止まった..可愛い。


「乗って」


「は、はぃ...」


反応まで可愛い...なんだこの可愛い生物は...こんな可愛い16歳は初めて見た...


漣君は私の専用ドライバーさんと軽く挨拶をするとそわそわしながら外などを見ていた。


私が漣君を見てると漣君がちらっと見てきて恥ずかしいのかさっとそっぽ向いたのを見て私の好感度がぐんぐん上がっていった。


(可愛すぎる...漣君...)


車で15~6分くらい走って我が家に着いた。


段々慣れてきたのかそわそわも少なくなった。


「ついてきて。」


「はい」


そういって従順なペットのようについてくる漣君可愛い...やばいな私さっきから可愛いしか言ってない...もしかして私...漣君に惚れた?...わからないけど惚れたのかもしれない



すると


「「「おかえりなさいませ」」」


メイドさんが出迎えてくれた。


やっぱり我が家のメイドさんはいつも元気そうでこの仕事に熱意をもって働いてくれてすごいなぁと思った。


ちらっと漣君を見るとおぉ...まさかメイドさんがいるとは思わなくてびっくりしているな...やっぱり驚いている顔の漣君可愛いな...


すると


「こりゃあんなボロアパート戻れられなくなるかも...」


と言っていた...なんとなく気持ちはわかる。


自分がもし違う家に過ごすと思うと拒絶反応を起こすかもしれないくらいこの家は広くて済みやすい。


「お気に召したかい?漣君。」


そう聞いてみると


「これは僕をだめにします」


「あっはは英語の教科書かい?」


「もうこれが普通の家だと思ってしまった日には終わりですね」


「だねぇ...まぁいいやとりあえずはご飯食べようか。」


「わかりました。」


「あ、そうそう。年も近いしタメ口でいいよ...堅苦しいのは嫌いだ。」


「そ、そうd...そうか...」


敬語が出そうになっているのが面白くて本当にかわいく見える。


「えっとここがトイレで...あそこが君の寝室。プレート下げてあるからわからないことはないよね?」


「あ、ありがとうg...」


「あははタメ口慣れてないね...フフフ」


さてリビングに着いたから


「やっさーん!今日のご飯は?」


「ミリアちゃん今日はね生姜焼きだよ!」


おぉ!私の好きな生姜焼きか!!


やっさんが作る生姜焼きは本当に絶品だ。


やっさんとはメイドの中の料理係だ。


「君が漣君だね?ミリアちゃんから聞いてるよ!ミリアちゃんのはt」


「もー!!言わないでそれ!!」


おっとなんか言おうとしてるね...そんなことは言わなくていいんだよ...というかなんで私の初恋『かもしれない』相手だと知ってるんだ?


「はい?」


漣君は聞かなくていいよ!と思いながら話をそらした。


「まぁ食べましょ!」


「「いただきまーす」」


うーんやっぱりおいしいなぁ...やっさんが作る生姜焼きは...


おぉ...漣君はおいしそうに作るなぁ...作ってないけどなんかうれしいよ。


「うわぁ...おいしい...」


漣君がそういうと


「おぉ...よく食べるねぇ...あんちゃん背がもっと高くなるね!」


やっさんは嬉しそうだった。


「ご馳走様やっさん!いつもおいしいご飯ありがとね。」


「おう!いつも作ってる甲斐があるってもんよ!」


そういってもう寝ることにした。



_______________________


結論から言おう...寝れなかった。


眠かったんだけど漣君のことが頭から離れなくて...


なんかもうなぁ...って思ったら体が勝手に漣君の寝室に向かって歩いてた。


「お邪魔しちゃうよお...」


そういって入ると寝ている漣君発見!!


可愛いなぁ...乗っちゃえ!


そう思って乗ると漣君は「んん...」って言ってそのまま寝た。


可愛いなぁ...ってさっきから何回思ってるんだろう。


「やっぱり可愛いなぁ...漣きゅん...私のものにしてよかったぁ...ずっと一緒だよ❤」


言葉がゆるゆるになっちゃったけどずっと独り占めにしたいと思ったのは本当だった。


そういうと心なしか漣君恥ずかしそうだったけど寝ているから聞こえてるわけないよね。


「...眠くなっちゃった」


そしてそのまま漣君の部屋で寝てしまった。


別に悪いとは思ってないモーン!!

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