親父に裏切られた少年は美少女に買われる

鬼雨とゐふ者

第1話 急に進むストーリー


親父は最低な奴だった。


借金をたくさん作りそれを俺に着せて逃げやがった。


それを知ったのは俺がバイトから帰った後だ。


「え?嘘だろ...親父...」


机に置いたった置手紙をおいて少し考える。


借金を作ったことはまだ許せる。


しかし逃げていったのは到底許せるものじゃなかった。


父子家庭だった漣は父親の優しさを信じて生きてきた。


それが消えること=連のすべてをおいていくことだった。


「そっか...俺はとことん恵まれないな...」


別に自分の家が貧しいことには何も思ってなかった。


生きる環境がどうであれ親父と生きれればいいわけだから。


でも親父を失った今はどうだ?


このボロアパートがとても広く見える。


いつもくだらない話をしていた親父がいないこの空間は何よりも広く感じた。


「はぁ...」


急なことに体が追いつくのに疲れて大きなため息をついてしまった。


『トントントントン』


「ん?誰だ?」


と思って出る前に少し考えると3秒で結果がまとまった。


(借金取りの人か...)


「はーい」


と扉を開けると...


「こんばんは漣君。あなたの父にから買わせていただきました“土門つちかど ミリア”と申します。」


そこには中性的な顔立ちの歳は同じくらい?の美少女がそこにいた...ってそうじゃなくて


「買わせていただいた?えっ?...ちょっと待ってください!」


さっきの置手紙をよく見ると。


《PS.申し訳ないけど勝手に漣を土門さんに売ってしまいました...勝手なことについては重々承知してます。これからもこんなくそ親父を超えるように頑張ってください。超えたときにはクソだの言ってくれ。また会えたらいいな...勝手で本当に申し訳ない。》


なんだよこれ...おかしいじゃねえか...クソ親父!...そんな大切なことはメインに書けこのあんぽんたんが!...


「わかりましたか?」


「あ、待たせてすみません...一つ質問いいですか?」


「なに?」


「僕これから何をするんですか?」


一番思っていたことがこれだ。


ただ買われるのしてもメイドだったり奴隷だったりするかもしれない...俺の考えすぎか?


とにかく早く聞いてこっころのゆとりを持たせないと後がきつくなる。


「んー...あんまり決めてないんだよね。」


「えっ?...なんで僕を買ったんですか?」


「ただほしかったからってのと同じ学校でしょ?宿題とか教えてよ。」


「えっ?同じ学校?」


「そうよ?同じ上出高校でしょ?」


なんてこったい...同じ高校ではないか...


「そ、そうですね...」


「あなたのことは大体は把握できてるよ。市川 漣君」


「は、はぁ...」


もうわけわからなくなってきた...とりあえず流れに身を任せよう。


「まぁ立ち話もいいから早くいきましょ?」


「は、はい」


家から大事そうなものだけ持ってきて階段を下ると...普段生活してて見たことのないくらい大きくてかっこいい銀色の車があった。


「乗って」


「は、はぃ...」


(えっ...俺こんな明らかな高級車乗るの?...土門家って何者だ?)


乗ると運転座席には執事らしき人がいた。


「こ、こんにちは...」


「こんにちは連様。話はミリアお嬢様よりお伺いしています。これからもよろしくお願いします。」


「え、あっ...はぃ...よろしくお願いします。」


初めてこんなにテンパった。


横をちらっと見るとミリアさんと目が合った...気まずいから視線を戻した。




_____________________




車で15~6分くらい走ってると目的地らしき家に着いた。


想像通りすんごく大きい屋敷だった。


なんだろう...ここまでくると驚かなくなったねw


「ついてきて。」


「はい」


と玄関らしいところ(うちのボロアパートの玄関5個分くらいの広さ)に着くとメイドさんみたいな人たちが集まって


「「「おかえりなさいませ」」」


おぉう...そこまでは考えてなかったぜ...すげぇすげぇ...


とりあえず靴を脱いで上がると


「何だこりゃ...」


目を疑った。


ここは旅館ですか?


いろんなことを言いたいが一つ言えるとしたら...


「こりゃあんなボロアパート戻れられなくなるかも...」


そんなことをつぶやいてしまった。


「お気に召したかい?漣君。」


ミリアさんは微笑ましいようにこちらを見た。


「これは僕をだめにします」


「あっはは英語の教科書みたいだねw」


「もうこれが普通の家だと思ってしまった日には終わりですね」


「だねぇ...まぁいいやとりあえずはご飯食べようか。」


「わかりました。」


「あ、そうそう。年も近いしタメ口でいいよ...堅苦しいのは嫌いだ。」


「そ、そうd...そうか...」


すっごく言いずらい...こんな格上のランクの人にタメ口はきついものがあるね。


「えっとここがトイレで...あそこが君の寝室。プレート下げてあるからわからないことはないよね?」


「あ、ありがとうg...」


「あははタメ口慣れてないね...フフフ」


やっぱり慣れないなぁ...と思いながら食堂くらいの大きさのリビングに出た。


「やっさーん!今日のご飯は?」


「ミリアちゃん今日はね生姜焼きだよ!」


やっさんと呼ばれている人はキッチンからすっごいおいしそうな生姜焼きを持ってきた。


「君が漣君だね?ミリアちゃんから聞いてるよ!ミリアちゃんのはt」


「もー!!言わないでそれ!!」


「はい?」


頭の中で❔ばかり浮かんでいる。


「まぁ食べましょ!」


「「いただきまーす」」


生姜焼きを食べるときは漣の中には生きててずっとやっている決まりがあった。


それは先にトマトを食べてからお肉を食べることだ。


これは絶対欠かせない大事なことだ。


これで口の中をさっぱりさせてお肉の味を楽しむ...これは小学生委の時に発見した。


「うわぁ...おいしい...」


生きててこんなおいしい生姜焼きに出会ったことがない。


それに最初のトマトからおいしかったし素材もいいものを使っているのではないか?


そう考えているとお皿の中が空になっていた。


「おぉ...よく食べるねぇ...あんちゃん背がもっと高くなるね!」


やっさんは漣が生姜焼きを平らげるとおいしかったなぁと顔を緩ませるのを見ると嬉しそうに言った。


「ご馳走様やっさん!いつもおいしいご飯ありがとね。」


「おう!いつも作ってる甲斐があるってもんよ!」


おなか一杯食べ終わって眠くなったから寝室で寝ることにした。


そういって寝室について開けてみるとダブルベッドが置いてあった。


「ふぅ...食べたぁ...もう眠いし寝るかぁ...」


そのまま眠りの淵に身を沈めた。



______________________


(あれ?なんか体が重い...)


漣は体に何か乗っているような感覚を感じうっすらと目を開けると...パジャマ姿のミリアさんが僕の上に座って僕のことをじっと見つめていた。


(何してるんだろう...)


そう思いつつ寝ているふりをしていると...


「やっぱり可愛いなぁ...漣きゅん...私のものにしてよかったぁ...ずっと一緒だよ❤」


うっすらとしか目を開けていないから確定的には言えないが彼女はさっき見た美しいような顔よりも甘えている子供のようで魅惑的な顔をしていた。


漣はまた眠気が襲ってきて耐えられずそのまま熟睡した。


_______________________


次話はミリア視点です。

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