(四)-4(了)

 路地から出てきた二人は一度立ち止まって左右を見回した。

「待て!」

 長田はとっさに大声を出して、もう片方の足を上げてガードレールを乗り越えようとした。その瞬間、つま先が引っかかり、転んで地面にうつぶせで倒れてしまった。

 それを見た若い男女は、向こうの方へ走り出した。

「長田さん!」

 ガードレールを飛び越えた白石が長田の方を振り向いて声をかけてきた。

「俺はいいから追いかけろ!」

 長田は地面に倒れたまま怒鳴った。

 二人を追って走りだした白石の背中を確認すると、長田は立ち上がった。そして白石たちを追うために自分も走り出した。


(了)

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捜査線上の交差点(クロスロード) 筑紫榛名@次回1/19文学フリマ京都9 @HarunaTsukushi

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