(四)-3

 二人の捜査員が浦上と同じ路地に入って行った。そして一〇秒ほど経った頃に無線が入った。

「浦上が襲われた!」

 突然の怒鳴り声で耳がキーンとして何のことか一瞬わからなかったが、続けて「救急車を!」と聞こえたことで、浦上が容疑者の若い男女に襲われたことを悟った。

 長田はガードレールを乗り越えて車道に出て手を前に出して車を停めて車道を横断しようとした。

 左右に行き交う車がそれぞれクラクションを鳴らしながら急ブレーキをかけた。そのすきに長田は反対側の歩道のガードレールを乗り越えようと跨いだ。

 片足だけその向こう側へ出したちょうどそのとき、路地から若い男女の二人組が飛び出してきた。女の方は先ほど浦上に声をかけていたミニスカートの女だった。


(続く)

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