この作者は傑出した作品をいくつも書いているにも関わらず★やフォロワーの数には恵まれない。その中でも埋もれた名作「青春ラノベが壊れても涙は見せない」の前に書かれたから、作者にとって比較的初期の作品なんだろう。
この世界のダンジョンは戦地と同じだ。死んだらダンジョン入口で生き返ることはない。スキルに恵まれない者には死にに行くも同然だ。
この世界で冒険者と判定されたら、この死地に赴く義務が生じる。赤紙と同じ。しかも一般人は冒険者に感謝することなく、自分たちを守ることを冒険者の当然の義務と思っている。冒険者の才能は遺伝することが多いことが誤解を生み、冒険者の子供はウイルスに感染するとクラスで虐められさえする。
冒険者だった父親をダンジョンで失った主人公は17歳で冒険者として神に選ばれたが、スキルが何も与えられないFランク冒険者と判定された。実は魔物に攻撃されるとそのスキルが使えるようになる『成長する者』だった。
主人公は2度目のダンジョンで冒険者だった父親を亡くしたDランク冒険者の新庄かなに出会う。かなとパーティー登録した日、ダンジョンがバーストする。主人公たちの高校にもゴブリンが強くなったハイゴブリンが殺到し、絶体絶命の危機の中、主人公は女の子に触れられたら魔力が回復する「好色」が使えるようになる。ただしそれには女の子の協力が必要……。
この作品のメインヒロインは、タイトルにもあらすじにもあるように主人公が好きな幼馴染の高田ミクだが、ミクとはダンジョンバーストで離れ離れになっている。では誰が主人公に協力するのか……。ダンジョンバーストの陰惨な世界をよりリアルに描くも、スケールのバカでかい闘いとハチャメチャとスケベが満載。果たして真のメインヒロインは誰か?
三度読み返しても惹き込まれる傑作!