第75話 最強最強との再会
ワシだって必死だったんじゃ。
ごめんなさい急に変な言い回しをして。
必死度をアピールしようとしたら言い回しが変になる。
あの時、ワシだって必死だったんじゃ。
龍がおっての。
物凄かったんじゃ。
その凄さを説明しろって。
蛇タイプの龍だった。
俺が持っている知識で適当に語るから間違っている確率は75パーセントぐらいあるんだけど、蛇タイプの龍は中国が発祥と言われている。
言われている、というか俺がそう思っている。
それが日本に伝わって『坊や良い子だ寝んねしろ♩』に繋がる。
日本を含む東洋の龍は蛇タイプなのだ。
それじゃあ蛇タイプの龍ってなんなの? 学校で勉強したことがある。間違っていたらごめん、というか、間違っているモノだと思って聞いてほしい。
蛇タイプの龍は神もしくは聖獣だったはず。はずです。はずなんです。
ちなみに西洋とドラゴンと東洋の龍の違いは善悪だったような気がする。
西洋のドラゴンは悪である。水害とか災害とかの象徴だった気がする。『ヒックとドラゴン』という映画の中でもドラゴンは始め害を与える動物として登場する。
だけど東洋の龍が登場する時、我々日本を含めた東洋人は願い事を言うのだ。
可愛いお姉ちゃんのパンツくれ、と願いを言ってパンツがヒラヒラと天から落ちて来て、集めた七つのボールが世界に散らばるのだ。
ドラゴンと龍は存在そのものが違う。
これ勉強になったでしょ。適当に言ってるんだぜ。驚きだろう。でも、だいたい合っていると思う。
だから4体大精霊にリヴァイアサンが入ったんだと思う。神様だから。あるいは聖獣だから。
シヴァも神様の部類だったはず。はずなんです。そうです、これは全て予想です。無知識でごめんよ。だけど、だいたい合っているんだ。バカっていう設定だから断言はできないけど、40パーセントぐらいは合っている。
その神聖なる龍が誰の願いも叶えず、3人の冒険者を殺すために口から大量の水を放出した。
これぶつかったら死ぬんじゃねぇ?
水って勢いが強いと槍のように刺さるのだ。
凄い勢いだもん。しかも大洪水レベルの水が龍から発射されてらぁぁ。
オラ3人を守るために瞬間移動よろしく、マッハで冒険者の元に駆けつける。
でも間に合わん。
間に合わないのなら壁を作るしかねぇー。
土で壁を作る。
これじゃあ壊されますよね。
氷河で壁を作る。
岩じゃ。氷河を使えば氷の岩が出るんじゃ。
これでもヤバい?
土。氷河。土。氷河。
交互に何重にも作る。
バリン、バリン、バリン、とオラがせっせと作った壁が壊される。
壊さないでよ。アタイ壁を作ることしかできないんだから。
それでも壁を作ったことで3人を救出するだけの時間ができる。
1秒で用意しな。1秒後に行くよ。
冒険者が俺の姿を見た時、驚いていた。
つーか俺を攻撃しようとしていた。
「師匠。助けに来ましたよ」
と俺は叫んだ。
助けに来たんだから攻撃しないでよ。お願い。
ってことを最強最強に伝えた。
俺に攻撃をしようとしていた2人の冒険者に最強最強は英語で何かを言った。
攻撃は免れ、ユーホーキャーチャーのように3人を掴んで、‥‥3人とも俺を掴んでくれていたからUFOキャッチャーのようには簡単に落ちたない。
リヴァイアサンの攻撃が当たらない範囲まで逃げた。
ビルの上に3人を下ろす。
助けてあげたのに冒険者が俺にビビっていた。
最強最強と2人の男性外人冒険者。
2人は西洋人で、肌が白い。1人は金髪。1人は茶髪。3人とも動けないぐらいの怪我をしていた。
見ず知らずの冒険者が俺のことを見てビビっているのがわかる。
でも師匠まで俺のことを見て顔を引きつらせなくても。
俺は人間バージョンに戻る。
人間に戻ると筋肉が痛てぇーーー。悲鳴を上げてる。
師匠が安心したのかため息をついた。
そして手足が無くなった。
「えっ? 師匠。なんで手足が無くなるの?」
「ダンジョンで両手足を無くしたんだ。今はスキルで補っている」
土のスキルで手足を作っていたのか。
「それより光太郎。お前はなんで魔族になっているんだ?」
俺は経緯を師匠に喋った。
師匠に恐れられるのが嫌で、俺はコミカルに喋った。
コミカルって言っても前世のことを喋らないといけないから、コミカルに喋れば喋るほど関西弁になっていく。
好きな女の子が誘拐されましてん。ほんで母親は殺されまして、ワイも騙されて殺されましてん。そしてワイは無能なまま死にましてん。ワイを復活させるために母親が納めていた領地の魔物が転生する儀式をしましてん。そしてワイが復活しましてん。それが小林光太郎や。小林光太郎になったんや。
「関西弁が邪魔すぎて、全然頭に入って来なかったけど、だいたいはわかった」
と師匠が言う。
「それで光太郎は味方か? 敵か?」
「ワイが敵な訳おまへんやろう。何を言ってますの師匠」
「あっ、その関西弁はやめて」
「すいません。興奮したら、つい関西弁になっちゃいまして」
「光太郎は魔王になるのか?」
魔王? 考えてなかった。
「地球を守れるのなら」と俺が言う。
「そうか」と師匠が言った。
「どんな魔王になるんだ?」
「優しい魔王になるのだ」と俺が言う。
金色のガッ◯ュベルで、魔物の王様になるための戦いをしていた小さいガッシュが言っていたように、俺は言った。
「光太郎は変わってないな」
「あっ、師匠。その手足、俺直せますよ」
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