第54話 VSサキュバス

 俺はバカです。

 バカだと罵ってください。

 クズだと罵ってください。

 罵っていただいた方が楽になります。

 結果だけ先に言っておきます。

 異世界に行ったらサキュバスにだけは手を出したらいけません。


 

 それじゃあバカな俺の話をさせていただきます。

 鼻で笑いながら読んでください。

 サキュバスに会いに行くぜ。テンション上げ上げで宿を出る。

 宿を出ると外は暗かった。

 道には何百、何千というランプが灯されていて幻想的だった。

 まるで異世界に迷いこんできたような……ってココは異世界じゃん。

 ランプに灯されて色んな種族のカップルが地面に座ってお酒を飲んでいた。

 ちょっとやめてウフン、みたいなことを軽くしているカップルだっていたと思う。

 幻想的で、平和的な景色だった。

 甘い匂いに誘われて、俺は昼間にエッチなお姉さんと出会った場所まで行った。

 昼間と同じ場所にお姉さんは座っていた。

 彼女はランプに照らされて、神々しく輝いていた。

 水着のように胸と下半身だけを隠した布。

 少し化粧をしている。ピチピチなお肌。髪は金色で、ちょっと日本の現代で言えばギャルっぽかった。

「来たの?」とお姉さんが言った。

「座っていいよ」

 俺は言われるなり、すぐに座った。

「ネームド鬼からアナタは注目されているみたいね」

「ネームド鬼?」

「アナタの種族に似ている鬼のことよ。昔、直子という異世界の女の人に名前を与えられた鬼のことを私達はネームド鬼って呼んでいるのよ」

「俺、注目されてんっすか?」

「大切なお方、ってみんな言ってるわよ。歓喜して泣いているネームド鬼もいるみたいね」

「なんでだろう?」

 彼女が首を傾げる。

「遊んで行くんでしょ?」

「……俺、金ないっす」

「相手のスキルを預かることができるのよ。お金はスキルと交換でもいいのよ」

 彼女が舌なめずりをする。

「お兄さん美味しそうだもんね。特別よ」

 彼女が俺の太ももの内側を触ってくる。

「どんなスキルを持ってるのかな?」

 エッチなお姉さんが、俺の後頭部を触ってくる。

 そして頭を押さえられて唇と唇を重ねて来た。

 彼女の口の中の味を感じる部分が、俺の喉元まで入ってくる。そして喉元を味わうように柔らかいナニカが動く。

 唇を離すと唾液がダラーンと溢れた。

「すごいスキル持ちね。こんなスキル持ち見たことない。もしかして魔人なの? でも魔族じゃない。人間よね? えっ? なにこれ? すごい」

 と驚愕しているお姉さん。

 お姉さんは驚いているけど、今のキスで俺はトロけていた。

 こんなに凄い舌使いを俺は初めて体験する。

 お姉さんが俺の手をギュッと握った。

「名前は何て言うの?」

「小林光太郎です。お姉さんの名前は?」

「私の名前なんて、どうでもいいのよ」

 とお姉さんが言った。

「お姉さん、俺のことわかるんっすか?」

「サキュバスの固有スキルが種の分析なのよ」

「へー」

「もしかしてアナタもともと魔族なんじゃないの?」

「わかんないっす。でも、そんな夢を見たことがあります」

「もしかしたら今後、魔族に覚醒するかもしれないわよ」

「魔族? なんすかソレ?」

「魔王の子孫」

 胸がドキッとした。

 彼女が舌をベロっと舐めた。

「こんなに美味しい子、私は初めてよ。いっぱい楽しませてあげるわね」

 サキュバス嬢に手を握られた。

「炎のスキルだけ奪うことってできますか?」

 ニコッと笑われた。

「ごめん。ランダムなの。大丈夫? やめておく?」

「いや。行きます」

 そして近くにあった地下に続く階段を2人で降りて行く。

 降りた先は、いくつもの扉があった。

 その一つの扉に入っていく。

 ここからは書けないです。どんなことをしたか描写できないです。ごめんなさい。

 感想だけ書いておきます。もう凄かったです。脳みそが取れるか、と思いました。


『銃弾のスキルを奪われました。使用できなくなりました』 

 脳内で声が響いた。

 だけどエロい行為に脳内の声はかき消される。  


 途中で別のエッチなお姉さんが入って来て、2人で責められた。


『炎のスキルを奪われました。使用できなくなりました』


 淫欲のスキルのせいか、何回でもできる状態だった。

 ずっと興奮しっぱなし。

 それからすぐに3人目のサキュバスがやって来た。

 これってもしかして伝説の花びら大回転ってやつですか? 間違ってたらごめん。


『土のスキルが奪われました。使用できなくなりました』


 出し尽くしたと思ったのに、まだまだ出る。

 最終的には7人ぐらいのサキュバスを相手にした。脳内に使用ができなくなった、みたいな声は確かに聞こえていた。

 だけど興奮状態の時って、気にしないじゃん。

 後のことなんて気にしないじゃん。

 そして事が終わってから、俺は後悔するのだった。

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