第35話 女性の足の裏を舐める
「全部、劣化版だな」
全てのスキルを試した。
あれはできるか? これができるか?
試しに試した。
そして出た師匠の結論である。
俺のスキルは全て劣化版。
なにが劣化版なのかというと出来ないことがあるのだ。
通常のスキルは三つのことができる。
① 体に纒わす。スキルによるが炎の場合は攻撃力や防御力がアップする。
② 物に付与する。スキルにもよるが炎の場合は付与した物の攻撃力や防御力アップする。
③ 発射させる。スキルにもよるが強い攻撃ができる。
俺の場合、体に纒わす性能が一切なかったのだ。もう一ミリもなかった。
物に付与することは得意。
発射させるのは、ぼちぼち。
「それじゃあ俺って接近戦が苦手ってことですか?」
と俺は師匠に質問した。
「今のところは」
「今のところ?」
「闘気を覚えるかもしれない」
「どうやって闘気を覚えるんですか?」
「これは才能としか言いようがないんだ。ある一定のレベルになったら覚える人がいる。君は覚えるかどうかわかんないけど。でも君は闘気なんて覚えなくても十分に戦えるよ。ミチコみたいなタイプが闘気か魔具が必要になるんだ」
師匠は言ったところで何かを思いついた。
「そうか。魔具ね。魔具。君達の方針を決めた。みんなが来たら伝えよう」
ニヤリと笑っているから怖かった。
「どんな方針でしょうか?」
「それはお楽しみに決まってんじゃん」
聞いていないけど俺はその方針には反対である。
「君はスキルを研ぎ澄ませて強化していこう」
「研ぎ澄ませる?」
「今できることで最大値の攻撃ができるようにするんだよ。劣化版と言ったけどスキル同士の掛け合わせができるから強い攻撃はできると思う」
師匠はスキルを使って雪で作ったカマクラぐらいの大きな岩を作った。
「壊れるまで赤玉で攻撃してみて」と師匠が言う。
すでに銃弾と炎を掛け合わせた赤玉の攻撃は最強最強には見せている。
ちなみに土と銃弾を掛け合わせることもできた。それは茶玉と名付けよう。なんかカテキンがいっぱい入ってそう。
ちなみに、この赤玉はスキルを放出しているのではなく、銃弾に付与しているらしい。だから一番得意なことをしていたみたい。
さっきから魔力を使いすぎていたので、2、3発赤玉を撃ったところで魔力切れになる。
魔力切れになると気絶することはないけど体が動かなくなって倒れてしまう。
そしてなにより俺は女が欲しくなる。
魔力量が減っていくにつれて女性の体が欲しくて嗅覚も敏感になっている。
実はさっきから師匠の甘い匂いをずっと嗅いでいた。
「ごめん、ごめん。さっきからずっと魔力を使わせすぎたね」と師匠が言う。
彼女は土で作った椅子に座っている。
「こっちにおいで。補充してあげる」
補充? あざーっす。
師匠は靴と靴下を脱ぎ始める。
靴下を脱いでいるだけなのに、すごいセクシーで、頑張って匍匐前進しながら彼女が靴下を脱ぐのを見た。
頑張れば、女がそこにいる。
「それじゃあ舐めていいよ」
最強最強が差しだしたのは足の裏だった。
「えっ?」
俺が師匠を見上げると彼女はニヤリと笑ってる。
「エッチなことをしたら魔力が回復するんでしょ? ほら早く私の足の裏、舐めなよ」
ちょっと無理というか、それ舐めてしまったら俺は一段階進んでしまうような気がする。
なにが進んでしまうのか? そりゃあ変態に一歩前進してしまうような気がした。
舐めちゃダメだ。舐めちゃダメだ。
「なんなの? 舐めないの?」
「……」
「君は何で強くなりたいの?」
「……幼馴染の女の子を奪い返したい」
「なにそれ? まさかバーストしたダンジョンに飲み込まれたの?」
バーストしたダンジョンに飲み込まれたと師匠は表現した。
「はい」
「それじゃあ、早く足の裏を舐めて強くならなくちゃ」
「……」
「幼馴染の女の子を助けたいんじゃないの? こんなこともできずに助けれらると思ってるの?」
これはミクのためなんだ。
これは強くなるためなんだ。
全然、女性の足の裏なんて舐めたくないんだから。
「いただきます」
気づいたら興奮しながら舐めていました。
描写するのはやめておきます。誰にも見られたくありません。
「キモ〜」と師匠はニヤニヤしながら足の裏を舐めている俺のことを見下ろしていた。
「好きな女の子を助けるために私の足の裏を舐めるんだ。チョー気持ち悪いんですけど」
お前が舐めろって言ったんだろう、とは言わなかった。
師匠が俺の魔力ブレスレットを見る。
「魔力が回復してるってことは興奮してんじゃん。キモ」
魔力が全回復すると俺は正座した。
すごい後悔している。女性の足の裏を舐めてしまった。なんで俺はこんなことに興奮してしまったんだろう? もうミクに会わせる顔がねぇー。
「なに落ち込んでるの?」
「だって人の足の裏を舐めたんですよ」
「いいじゃん。私のなんだから」
「俺は人として終わりました」
「幼馴染の女の子を助けるためなら変態ぐらいなれよ。男の子なんだから」
「……でも、足の裏」
「次、ウネウネ言ったら殴るよ」
すぐに俺は立ち上がって赤玉で岩を攻撃する。
全然、岩はビクともしない。
また俺は魔力切れを起こす。
匍匐前進で師匠のところに向かって、何も言わずに彼女の足の裏を舐めた。描写はしません。どんな味をするのかも内緒です。
「なにも言わず舐めてんじゃん」
「美味しい?」
「マジ、キモいんだけど」
「指と指の間を舐めろよ」
変態度が成長しました、と俺は心で呟いた。
魔力が回復すると俺は何も言わずに岩に向き合った。そして赤玉を出して魔力が切れると師匠の元へ匍匐前進で行く。
「暑いんだけど」と師匠が言って白い毛皮のコートを脱いだ。
「次はワキを舐めて」
師匠のワキを舐めているところに足音が聞こえた。
三人が帰って来たんだろう。
俺は吹き飛ばされた。頬に痛みが合ったから顔面を殴られたんだと思う。
壁にぶつかって背中の骨が折れる。
だけど自動回復が始まる。
三人が道場に入って来る。
目が合った。
「助けてくれ」と俺は呟いた。このままじゃ俺は変態にされる。
すぐに三人は俺から目を逸らす。どうやら関わりたくないらしい。
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