第157話 ところで、君の推してぇてぇってどれになった?
『さてさてさて~、ここまでラブコメ主人公企画をやってきたわけだけど~、みんなどうだったかな~?』
どうだったもこうだったも、コメント欄が全てを物語っていると思います!!
『胸焼けした』『もうお腹いっぱい』『しばらく甘いものは控えられそう』『ある意味ダイエット企画』『てぇてぇによる暴力』『よく炎上してないな』って、いや本当にね!?
こんなことしててよく炎上しなかったよね。本当にそこだけが謎……。なんで……?
『《愛してるよゲーム》も終了し、これで全ての企画は終了した』
『ということで~、せっかくだし参加者してくれたみんなに感想を聞いてみようか~』
『スタジオ。繋がっているか?』
あー、……うん。
そっか、喋らないとか……。
「こちらスタジオの戸羽丹フメツです」
『フメフメ~、お疲れ様~。どうどう~? スタジオは今どんな感じ~?』
「死屍累々」
『何……?』
「だから、死屍累々。みんなもう、なんかぐったりしてるよ」
『え~? そんなに~?』
「って、言われてるけど? アズマ?」
「ちょ、ちょっと繋いでてもらってもいいですか? 水。水だけ飲ませてください」
「しょうがないなぁ、アズマは。今回だけだらかね?」
「あり、ありがとう、ございます……」
『なんか本当に~、ぐったりしてるね~?』
「喋れるだけアズマはマシだけどね。他の3人は何て言うか、……すごいよ」
戸羽ニキの言う通りだ。
俺、ナーちゃん、カレンちゃん、ムエたんは全員揃ってぐったりしてる。
というか、これは《企画屋》の2人が悪いって!!
だって、《愛してるよゲーム》が終ってから本配信に繋ぐまでに、インターバル入れたんだよ!?
そんなことされたら、思い返しちゃうじゃん!!
さっきまでの時間のことを!!
そんなことになったらどうなるかわかる!?
こうなるんだよ!!
「……なんで、なんであんな。あぁ~~~……」
って、ナーちゃんは永遠に悶えてるし、
「冷静になるとマズいですよねなんだったんですかさっきのアレは無理ですって本当に無理」
って、カレンちゃんはずーーーーーーーーっとブツブツ言ってるし、
「……恥っずいよぉ。アズマさん何でこっち見てるの!?」
「はい! すみません!!」
って、ムエたんは顔を真っ赤にして俺と視線を合わせてくれないし、
「…………。──ッ、~~~~っ」
でもって俺は、そんな3人を見てなんかこう、色々と思い返しちゃうしさぁ!!
テンションで乗り切ってた企画中とはわけが違う!! 冷静になってしまう!!
頼むから間を置かないで欲しかったぁ!!
あのままテンションに任せて駆け抜けさせて欲しかった──ッ!!
「ちなみに見てるそっちはどんな感じだったの?」
『すごかったよ~。大盛り上がり~。みんなものすごいはしゃいでるよ~』
『どうせなら喋るか?』
「いや! いいです!! それは大丈夫ですから!!」
こんな時にあいつらに喋らせるなんて──ッ、
『なんやぁ? 自分らの声は聴きたくないってかぁ? 愛ではちきれそうになってるんちゃうかぁ?』
『ふぅん。あれだけ愛してるって言われたら、さすがの東野ちゃんでもそうなっちゃうんだねぇ』
『にーちゃん、今どんな気分?』
『アズマさ~ん。ちゃんと感想聞かせてよ』
ほらね!? ほらね!? こうなるでしょ!?
エイガにラナさん、レオンハルトにミチエーリさんにフッたらこうなるのなんて火を見るよりも明らかじゃん!!
絶対イジって来るのなんて、小学生でもわかるじゃん!!
本当に勘弁して欲しいんだけど!?
こちとら息も絶え絶えなんだよ!?
『あれ? どないしたんや。アズマの声が聞こえへんで!?』
『東野ちゃ~ん。もしも~し』
『どんな気分か教えてよ』
『ア・ズ・マさーん──ッ!!!!!』
「ああもう! なんですか!?」
『そない怒鳴る事ないやろ? 感想を聞いてるだけや~ん』
「イジる気満々の声音で言われてもですねぇ──ッ!!」
『感想を聞きたいのは円那だけじゃないよ』
『リスナーさんたちも聞きたがってる』
『アズマさんほどの人気VTuberなら、リスナーさんたちの期待に応えないなんて、そんなことしないよね?』
エグイなこいつら──ッ!?
リスナーを盾にするなんて、なんてひどいVTuberだ!!
「それはまあ、嬉しかったですよ。企画とは言え、みんなにあれだけ『愛してる』って言って貰って、嬉しくないわけがないですよね」
『なんやつまらん』
『模範解答反対ー』
『今日のにーちゃんノリ悪いね』
『アズマさんにはガッカリだよ』
こいつら──ッ!! 言わせておけば──ッ!!
だが待て、俺。ここは冷静になるんだ。
どうせいつものノリで俺が言い返してボロを出すと思ってるんだろ!? そうは問屋が卸さないぞ!?
「まあまあ、俺はVTuberですからね。リスナーさんが楽しんでくれれば、それが一番ですよ。ということで、ぴょんこさん、袈裟坊主さん。この後は《選択肢》をやるんでしたっけ?」
『アズマぁ──ッ!! 逃げるんかぁ!?』
「逃げ? はて? なんのことでしょうね? 俺は粛々と企画を進めるだけですよ」
『そうやって大人ぶるんだね、東野ちゃんは』
「周りへの気遣いを出来てこそですからね。ナーちゃんもカレンちゃんもムエたんも、みんな疲れてるみたいですし」
『にーちゃん。本当にそれでいいの?』
「レオンハルト。これが大人になるということです」
『せめて誰からの愛してるが嬉しかったかだけ教えてよ!』
「みんなです。当たり前じゃないですか。愛してるって言われなて嬉しくないわけないじゃないですか」
「アズマ。そこは僕って言うところじゃない?」
「!? 急に近くに来るのやめてもらえませんか!?」
「いいじゃないか。愛を囁きあった仲なんだから」
『……ごくり』
「今、ごくりって言ったの誰ですか!? ラナさん!? というか、早く次に行きましょうって!!」
『私としては~、もうちょっとだけ見てたいな~』
「袈裟坊主さん──ッ!! なんとかしてください!!」
『そうだな。このままでは収集がつかない。ぴょんこ』
『ええ~。も~、しょうがないな~。同時視聴してたみんなもありがとうね~』
『こっちはこっちで楽しかったぞ。では、ということで!!』
『ラブコメ主人公企画もこれにてお開き~。最後にみんなの推してぇてぇを教えてね~』
『いつも通り《選択肢》を用意するから、ぜひ投票していって欲しい』
『ということで~、《企画屋》でお送りしました~。みんな~、ありがとうね~』
『また次の企画で会おう』
「みんな、ありがとう。僕も楽しかったよ。えっとー、みんな挨拶出来る?」
「で、出来るわよ。見てくれてありがとう」
「い、色々大変でしたけど、参加できてよかったです。みなさんぜひ、わたしのチャンネルにも遊びに来てください」
「恥ずかしかったねー。でも楽しかったよ! みんな、またね!!」
「みなさん、今回もあざまるうぃーす!! また配信でお会いしましょう!!」
……はぁ。終わったぁ~。
いつも思うけど、企画とかが一個終わると本当に気が抜けるな。
燃え尽き症候群って言うだろうか……。
まあ、今は燃え尽きてる場合じゃないんだけどね。
「アズマ」
「戸羽ニキ」
「お疲れ」
「はい。お疲れ様です」
「で、さ。どうするの?」
「しますよ。予定通り」
「そっか。僕に協力出来ることは?」
「さすがに二人きりになりたいですね」
「わかった。任せて」
ということで、ラブコメ主人公企画は終わったけど、俺自身のラブコメはここからが本番だ。
視線を向けた先には配信を終えて一息ついている3人がいる。
「で、誰と二人きりになりたいの?」
戸羽ニキの問いかけに、俺はその名を告げた。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
いつもありがとうございます。藤宮です。
ようやっとラブコメ主人公企画に一区切りつけることが出来ました。
ということで、最後の《選択肢》になります。
みなさんはどのてぇてぇが推しになったか、ぜひアンケートにお答えいただければと思います。
※このアンケート結果が今後の展開に影響するようなことは無いので、その点はご理解ください。あくまで、何かしら読者の皆さんと楽しめれば嬉しいな、という作者の気持ちによってやっているものになります。
◎今話アンケート
--------------
下記、ツイッターアカウントにて行っていますので、よろしければご参加ください。
・藤宮カズキ ツイッターアカウント
https://twitter.com/fujima0102
・アンケートURL
https://twitter.com/fujima0102/status/1634775172187324417
--------------
今後ともよろしくお願いいたします。
藤宮
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます