四色の勇者の保護

「ペンダントが……。虹色に……?」

それまで赤かったペンダントが虹色に光りだす。

『なるほどな……そなたの気持ちは伝わった。』

『我らが五代継承し続けたこの首飾りの力をあやつに思い知らせてやろうぞ!』

「そうだな……。五代目として私も戦おう。」

ウェイアンさんから貰ったペンダント。

そうか。僕は六代目か。

「力って言ってもどうやって……。首飾りから声がするだけだけど……。」

『まだワシらの準備が整ってないからのぉ!しばし待っとれ!すぐにそっちに向かうぞ!』

そっちに向かう……?僕は謎に思いながらペンダントを見つめる。

すると、突如ペンダントが地面に勝手に落ちる。

硬いのか、割れはしなかった。

それよりも変なのはペンダントの近くに4人の人が立っていたのだ。

弓使い、剣使い、槍使い、斧使い。

伝承で伝わっている四人。人呼んで四騎士。

名前は一般に明かされていない。しかし、その姿は目撃情報と一致していた。

「これは……。」

「驚いたかい?ハルくん。これが首飾りの力さ。」

つまり、四騎士はこのペンダントの力でこの世界にいるということなのだろうか。

『ワシらはあの怪物を衰弱させる。その後の処置は任せるぞ。ワシらも現界できる時間に制限があってのぉ……。』

「分かった。任せてもいいかな……。」

『おう、ワシらに任せときな。その代わりしっかり武器を温めとけよ。すぐに処置をしないと元に戻るぞ。』

「分かった!」

四騎士が一気に全員で攻め込む。

弓使いの弓が地面に大穴を開ける。

そこに剣使いと斧使いが追い討ちをかけるように武器を振り下ろし、槍使いが槍を投擲とうてきする。

「痛ぇな!この四騎士めが!お前らも消し炭にしてやる!」

アウグイドは泥を体から出す。

しかし、それは弓使いの矢が開けた穴によって穴に溜まり込むだけだった。

『さて……。この槍はお前を逃さないぞ……?『烈火爆裂槍れっかばくらん』!!』

槍使いが自身の身長の2倍はある槍を手で軽々と持ち上げる。

そして、それを自分の泥で身動きの取れなくなっているアウグイドに向けて投げる。

炎の槍。

泥を焼き尽くし、アウグイドをほぼ瀕死の状態まで持っていった危険な槍。

僕はすぐさま槍の開けた大穴に飛び込み、アウグイドに治療剣を差し込む。

「待ってろ、マイ。すぐに助けるからな……。」

マイの体がだんだんと元の色に戻っていく。

あとはこの魔石をどうにかして破壊し、アウグイドを封印するだけだ。

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