分離寸前
「はぁぁ!」僕はボンバーアックスをアウグイドの体にぶつけ、爆発で気絶を狙う。
「その程度で私は気絶せんわ……うっ!?」
アウグイドが話している最中にガスパオロが後ろから斧で殴りかかる。
「ナイスだ!ガスパオロ!」
僕もボンバーアックスを投げ捨ててマルタの剣を持ち、ガスパオロと共に何度も挟み撃ちをし、連撃を喰らわせる。
「このまま衰弱させるぞ!そうすれば治療成功確率も上がる!」
「おう!このまま……!うごぁ……!」
その直後に僕とガスパオロのお腹の前に太い針があった。
すぐに止まることはできず、針が防具を貫通してお腹に刺さる。
「これ……は……猛毒の針か……。やってくれるな……。はははは……。」
僕は半分諦めかけていた。この毒はじきに全身に回る。
もう意識も朦朧としている。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
『こいつはまた次の勝者が来たら受け渡さなきななんだけど……君なら負けない気がするよ。』
ウェイアンさんはあのペンダントを僕に渡してくれた時にそう言ってくれた。
その言葉を裏切るのか?僕!
いや、裏切られない!
ここで諦めたらマイも……自分さえも救えない。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
「ははははは……。こんなにまで他人の思いを背負うのは大変だったんだな……。」
『勇者の宝石』が熱い。
首が焼けそうだ。
僕はすぐにそれを首から外す。
手に持つと何故か首飾りはぬるい。
毒も、プレッシャーも、限界も。
その時だけは僕からは消えていた気がした。
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