攻撃成功
「こんなことをするのは……癪だけどさ……。僕たちの命もかかってるんだ。ここは協力してくれ……。ガスパオロ。」
僕はそっと彼に聞こえるか聞こえないかの声で話しかける。
「分かってらぁ……。因縁の対決はあいつを救ってからにするぞ。」
僕はもう一度大きく深呼吸をする。
吸って。吐いて。力を心臓から溢れ出させるようにイメージをする。
よし!行くぞ!僕は心の中で一人でそう叫ぶ。
まずはマルタの剣をもつ。
もちろん向こうも対抗してくるだろう。
「哀れな人間よ。死ぬがいい!!」
よし、剣を振りかざそうとしてきたな……。
僕はすぐさまマルタの剣をアウグイドの取り憑いたマイに向けて投げつける。
アウグイドはすぐに盾で剣を防ぐ。
しかし、この間の時間が大切だったのだ。
僕は念力剣を手に持ち、アウグイドの剣を抑え込む。
向こうも負けじと力を込めているのか刀が折れそうになっている。
「今だ!ガスパオロ!抑えてる腕の方にデカイ一撃を!」
「分かってらぁ!喰らえ!クソ野郎!」
ガスパオロが斧をアウグイドの胴体に打ち当てる。
アウグイドは吹き飛ばされ、近くの大木に打ち付けられる。
「やったか!?相当な力を込めて吹っ飛ばしたからな!」
しかし、アウグイドの腕がかすかに動いた。
「まずい!あの状態で衝撃波を撃とうとしてる……!ジュデボラ!衝撃緩和のバリアの用意を!」
「今からは間に合わないわよ!」
せめてもと剣盾を前に構えた瞬間、アウグイドの近くで爆発が何発も起こる。
「ハハハハハ!想定してた内容とは別になっちまったが間に合ったか!」
「ダイスケさん!これは……!」
「あぁ……!本当は能力を吸われた奴らを救出する用に王国に頼んどいた部隊なんだが別の意味で役に立ったな!」
「つまり……!」
「そう!元のマイちゃんと魔石におそらく分かれる!」
これでも倒れないならそれに賭けるしかない。
僕たちはただ爆発するのをみて祈るしかなかった。
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