代償

「ハルくん!ハルくん……!大丈夫か!?」

そんな声が虚ろになっている僕に降りかかる。

「うん。」「いいや。」とも答えることも出来ず、ただ、地面に寝そべることしかできなかった。

急に力を使いすぎたせいだろうか。

頭がズキズキと痛む。足も痺れた感覚がする。

あぁ………。そうか。本当に全てを捨てるってことになったのか……。

そう思っていた。

でも、その後で休む暇はない。回復させなきゃ!と言う声がした。

横に変な気配を感じる。

いつもそばにいた。いつも共に戦っていた。

そんな気配がした。

でも、明らかに違う。

彼女とは思えない低い声で彼女は笑う。

手には魔石。

横にラーイーダ。時間を稼ぐと言っている。

すぐさま僕はダイスケさんに背負われてさっき解放されたばっかのウェイアンさんの元へと運ばれる。

上位回復をかけられて意識を取り戻す。

まだ少し立ちくらみがする中で奥を見る。

そこには変わり果てた旅の相棒がいた。

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