全てを統べる者

「ダイスケさん!一気に決めましょう!」

「おう!任せとけ!こいつら今なら弾丸が効くはずだ!」

ダイスケさんが弾丸を放つ。

真っ直ぐな軌道。ブレがない。これは確定で当たる。

しかし、弾丸の先には敵がいない。

正確に言えば消えたのだろうか……。こんなコンマ数秒程度で逃げれるはずがない。

「クソ……!あいつらまさか転移を使って……!」

「いや違うわ!ハルくん!神殿の方を見て!」

ラーイーダの治療を終わらせたジュデボラが神殿の方を指差しながら言う。

「何だあれ……見たことない奴だな……。果たして俺の弾丸は通るのか……?」

「あの光、多分洗脳された二人とあの柱のジジイのやつと沢山の取り巻きのやつの力だと思う。肉体はどっかに残ってる!」

ジュデボラいわく魂はあの光に含まれていないらしい。含まれているのは能力のみらしい。

「なら……今のうちに攻撃すれば何も吸収してない状態ってことだろ?俺の弾丸を喰らえ!」

ダイスケさんが銃に弾を込めて撃つ。

ブレはない。当たれば確実に一瞬は怯むだろう。

「その程度の打撃が効くとでも……?」

「なっ……!?」

「覚醒の邪魔をするとはねぇ……。いい度胸じゃないか。」

その見知らぬ人は神殿の屋根から僕たちの前に飛び降りてきた。

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