幹部集合
「やぁやぁ。元気そうで何よりだよ。これでもまだ立てるのはさすがシールダーだよねぇ……。」
「ガスパオロ……!お前……!」
「心配しなくて大丈夫だよ。ちょっと腕を差し込んじゃっただけだから。」
「なんてことを……!」
バン!と音がして弾がガスパオロにも撃ち込まれる。
しかし、全くもって苦しむ動作が見られない。
「なっ!?もう半魔ではないということか……!うおっ!!」
困惑しているダイスケさんの好きを突くかのように残っていた騎士が攻撃を仕掛けようとする。
「何だこの敵の数……!尋常じゃないぞ……!」
いつの間にかあらかた片付いてきていた騎士も増えている。完全に僕たちは囲まれた。
「くそ……!どこも壁の薄い層がないぞ……!撃っても撃っても増えやがる……!」
ダイスケさんが隠し持っていたのかわからないが連射銃を騎士の頭に向けて何発も撃っているが倒してもすぐにそこに新しい騎士が召喚されている。
「ジュデボラ!あれを!ラーイーダを背負って一旦逃げる!」
「任せて!『
僕たちはフラッシュがさっきまでいた位置にできた瞬間に一人の騎士を利用して大ジャンプをする。
「何とか逃げてはこれたが……。ジュデボラ。ラーイーダを治療できるか?」
「もちろん!任せて……。でも傷が相当ひどいから時間がかかるの。何とか時間を稼いで欲しい!」
「「任せろ!!」」
僕とダイスケさんはそれぞれ武器を揃えて神殿から出てきたウェイアンさんとガスパオロを少しでも足止めしようと動く。
「ハルくん!ウェイアンにはまだ弾丸が効く!こっちは任せて!」
「分かった!くれぐれも気をつけて!」
「そっちこそ!」
僕はガスパオロに向けて初めから最大火力でチャージしていたチャージソードを撃つ。
こうでもしないと勝ち目はないのだ。
「なるほどな……。効いたぜ……。ほんの少しな……。だが……!その程度では到底俺は倒せん!はぁ!!!!!」
声の後でものすごいスピードで衝撃波が飛んでくる。
「剣盾!!」僕はすぐに魔力を込めて剣盾を展開する。
剣と剣がぶつかるような音がして剣盾がミシミシと音を立てる。
「これは……危ないな。」
僕はすぐに受け止めるのを諦め、後ろへ飛んで下がる。
「なるほど……。判断能力はついたな……。だが……これでどうだ!」
僕の周りにまた大量の兵士が現れる。
一体一体の体力は少ない。でもすぐに再生する。いや、補充されてるという表現の方があっているだろう。
ダイスケさんの方を見てみるとウェイアンさんと1対1でやり合っているようだ。
ここは一人で突破するしかない。
ライマルクさんも何か準備があると言ってどっかへ行ってしまった。
そして、何度も数を減らそうと攻撃していると急に魔法にかけられた気分になる。
「これって……疑似冥界……!そういうことか……!」
ライマルクさんがここを覆うように領域魔法の準備をしてくれていたのだ。
「ハル!手伝ってやるよ!ウォラァ!」
ゴブリンキングがお腹からゴブリン兵士を何体も出す。
「少しは力になれるといいけど……。ふふふふ。」
シュリエルもクリスタルマッシュルームを召喚して周りの騎士や敵となってしまった二人に攻撃を仕掛けている。
「今しかチャンスはないな……!」
僕は騎士達の中から抜け出すとガスパオロ向けて走り出した。
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