防御柱 ヘスタイアス

「なんだこの大きさ……。」

僕はただただその柱の大きさに驚くばかりであった。

「ようやく来たか……!憎き冒険家ハルよ!!わしの腕を片方奪った最低最悪の冒険家が!!回復までに時間がかかってしょうがなかったんじゃぞ!」

その聞き覚えのある声はモゴルパスだった。

「どっちが最低かな……?魔族をこんなに出して民間人や冒険者を襲わせて。」

「これは我らが王の思し召しだ。わしには関係ない!」

「そうやって言い訳しちゃうんだな……。じゃあ、もう一つ質問をしよう。」

「なんじゃ……?」

「その柱はお出したものだろ?」

「なっ……!?ここに来てわしがそんなことする訳がないだろう!」

「そうなのか……?じゃあ、試しに。」

僕は小さなナイフを取り出して柱に投げつける。

柱に刺さったと同時にモゴルパスが腕を抑えた。

「なんで同時に反応する?お前には何も刺さっていないぞ?」

「バレてしまったからにはしょうがないのぉ……。我が新名は防御柱・ヘスタイアス。貴様達を通さないための門番じゃ!かかってこい!」そう言ってモゴルパスは柱と融合した。

「また留熱層が回復しやがった!枚数45枚!破壊方法は連続攻撃だ!」

「連続攻撃ぃ!?ダイスケ!何を言ってるんだ!僕たち月の狼とハルくん達を合わせても連続攻撃なんて!!」

「そういうと思ったよ。そろそろ戻ってくるから少し耐えてくれないか?その時になったら言うよ。」

「なんてやつだ……。しょうがねぇな。受け持ってやろう!ハルくん。申し訳ないけどまた手伝って欲しい。」

「もちろんです!」

僕たちはそれぞれ武器や盾を手に持ち、ヘスタイアスに向けてなるべく多くの攻撃を仕掛ける。

そして、数分ほど経ちダイスケが大声で叫んだ。

「もう大丈夫だ!あとはこっちに任せてくれ!」

上空には数機のヘリがいた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る