ダイスケの尽力(sideダイスケ)

「撃て撃て撃てぇ!攻撃を休めるな!」

俺はただひたすらに現れた巨大生物から一番離れた観測機兼戦闘機のヘリから全体に向けて指示を出している。

すでにできてしまった留熱層りゅうねつそうは厚い防御壁となってしまっており、交代交代で本当は弾薬を交換できるようにしていたのだが途中の魔族の攻撃により、半数のヘリは墜落してしまった。

「本当はこんなはずじゃなかったのに……。」

残りの半数は残ったもののいつかは弾薬が切れる。

そのため、ほとんどずっと焼石に水状態の攻撃をしているのだ。

この2時間で削れた留熱層は2枚のみ。あと30枚も残っているのだ。

「隊長!もうすぐこの機体の弾薬も切れます!どうしましょう!」

「しょうがない……!俺はこの小型測定器だけ持って前線のヘリに移動する!」

「そんな無茶を……!おやめください!」

「俺が残らないでどうする!なんとしてでもハルくんが来るまで持たせなきゃいけないんだ!高速エンジンを使っても構わない!なんとしてでもなるべく早く戻ってくるんだ!それから第二倉庫から例の弾薬を積んで持ってきてほしい!」

了解しました!という返事を聞きすぐさま近くのヘリを呼び、俺は測定器を持って乗り移る。

測定用ヘリとは違い、通常の機体のため少し狭いがなんとか機材は広げられる。

モニターには留熱層再生中の表示。ここで再生されたら剥がした一枚が無駄になってしまう。

「全機体!ガトリング2に攻撃ガトリングを変えてくれ!一斉攻撃だ!なんとしても再生を防ぐぞ!」

2つ目のガトリングに入れてある弾薬はここにくる前に工房で急いで作ったオリジナル弾丸だ。

この弾薬には敵の特殊効果を打ち消す力を0.2秒間だけ与える力がある。

この弾丸を連続で当てることで弾切れになるまでは再生を無視して層を剥がすことができる。

ただ、即席で作ったためあまり飛ばなかったり空中で暴発したりと命中率は低いため、全機体で一気に攻撃する必要があるのだ。

「いいぞ……残り20……。25……!どんどん削れていく!」

再生のスピードより、弾薬の攻撃が上回っている。

あと少し……!あと1枚。その時だった。

突如柱が膨張し始めたのだ。

「なんだ……!?全機体攻撃停止!離れるぞ!」

ヘリ達が下がろうと動き始めた瞬間、柱から衝撃波が飛んできた。

ヘリが衝撃波に耐えれるはずもなく、大破してしまう。

「パラシュート……!は間に合わないよな……。くそ……!もっと気をつけて攻撃するべきだった……。ここまでってとこかな……。」

そのまま地面に落下していく。助かるはずもない。

そう思っていたが、自分が落ちた先にあったのは大きな泡。

周りを見渡すとそこには見覚えのある顔があった。

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