巨大生物 発生
「んで?もっと悪い知らせってのはなんだ?」
「ここから窓の外を見てほしいんだが……」
「なんだあれ……。柱……か?」
「いや……。あれは柱じゃない……。れっきとした生命体だ。」
「あれが生命体なのか……?だったら巨大特攻とかで攻撃すればいいんじゃないのか?」
「そうもいかない。あれは一切の自身に対するデバフを軽減しているらしいんだ。それでもって熱エネルギーでどんどん防御力が上がって行っている。」
「なんでそれを早く言ってくれなかったんだ!?僕たちが休んでいる暇なんてなかったじゃないか!」
「そこに関しては問題ないさ。熱エネルギーの防御は攻撃すればするほど剥がれる。ダイスケ達ビブリッジ応援部隊が攻撃してくれている。」
「ならいいんだが……急いで向かわなきゃだな……。ダイスケさん達もいつまでも持つわけじゃない……。」
そう言ってドアの方へ向かおうとした瞬間、隠れ家のドア側の壁がバキバキと音を立てて剥がされ始めた。外からは気色の悪いうめき声がする。
「クソ!ここも下級魔族達に場所が伝えられたか……。ハルくん。悪いけど手伝ってくれないか?寝起きなのに悪いね。」
「任せてください!」
僕とウェイアンさんは外へ裏口からでる。
そこにはムキムキな魔族が一体と冥界でも会った触手の魔族がいた。
「あの触手の魔族なら……!いでよ!巨神兵!」
僕は召喚ステッキを持って召喚をしようとするも巨神兵は出てこない。
「……!ここは冥界ではないため召喚できません!?そうか……。巨神兵は冥界の守り神だもんな……。」
僕は気を取り直し、まずはムキムキの魔族を小屋から引き離そうとしているウェイアンさんの援護をする。
触手魔族はいくら変形しているとはいえ触手の数には限りがある。
僕はバイオレントハルバードを展開し、触手魔族の触手を切り抜けるように発射する。
触手魔族は対応しきれずに串刺しになり、倒れる。
「冥界で会った奴より弱体化してる……?」
明らかに冥界で会った二人組の方が強かった。ウェイアンさんの対応しているムキムキの魔族も見た目だけでほとんど抵抗できずに死んでいっている。
「言われてみれば……そうかもな。魔族が数が増えた代わりにどんどん弱体化してる気がする……。でも数で囲まれたら負けだ……。気をつけていこう。」
「移動はどうするんだ?」
そう尋ねた直後に後ろから数時間前に聞いた声がした。
「それなら任せな!」
「ライマルクさん!」
「ハビブサを使うのか……?やめた方がいい。」
ウェイアンさんはすぐにそう答えた。
「なんで……?」
「実はダイスケ達が向かうまでにも空中でとても強い魔族に遭遇したらしいんだ。そのせいで半分ほど兵を失ったらしい……。」
「そんなに!?」
「代わりに地上はある程度冒険者がいるおかげか比較的弱い魔族が多い。だから今回は地上での移動になる……。」
「馬車ってことだな……。ライマルクさん。馬車を引ける魔獣は出せないか?」
出せると言われ、出てきたのは見た目は至って普通の白馬。
しかし、ウェイアンさん曰く動き始めてからが本命だとのこと。
「よし、行こう……!何があるかはわからない。各自最後の支度は整ったね?」
ウェイアンさんの質問に全員がうなずく。
馬車は謎の生命体に向けて走り始めた。
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