仕切り直し

「マイ!手伝ってくれ……!」

結界を解除し、マイと合流して僕はマイにそう言った。

「もう見て分かった……。あれはやばいね……。」

焼き爛れてもなお動き続けているメルゾディスを見てマイはすぐに状況を判断したようだ。

「作戦はこうしよう……。」

僕は作戦をマイに指示し、二手に分かれる。

僕はマイの反対側の少し後ろの方を走る。

もちろん、メルゾディスは僕のことを狙ってくる。

防御役も武器も何も無しに走っている僕はいい的だろう。

ただ、マイがその攻撃を許さない。

僕がマイから少し離れたのはそのためだ。

パンチが当たる少し前にマイの反射が間に合うようにこの配置にしたのだ。

「マイ……!耐えれるか……!?」

「結構……ぎりぎり……!もしかしたら……!」

その時は任せろ。と僕は言って手に2本の剣を握る。

一本はバブルソード、もう一本はマルタの剣。

マイはあと少しで耐えきれず、吹き飛ばされる。

すかさずバブルソードを使ってマイを安全に着地させる。

そして、パンチの後のスキを狙ってマルタの剣をコアに突き刺そうとする。

目の前に棘が出てくる。

それを突き破る勢いで僕は棘に向けてマルタの剣を刺す。

コアに刺さりそうだった剣は棘を貫いているうちに折られてしまう。

「っち……。やっぱ一筋縄じゃいかないな……。」

僕はマルタの剣を捨て、ボンバーアックスに持ち替える。

マイが盾で攻撃するタイミングを見て、出てくる棘に向けてボンバーアックスをぶつける。

「はぁぁぁぁ!」

マイの盾がコアを捉えた。

確かに当たった。

盾は確かに当たったのだ。

でも、傷ひとつついていなかった。

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