ただがむしゃらに
「いっ……。」
僕は右腕の出血したところを押さえながら立ちあがる。
右腕に上位回復をかける。
回復速度は遅いものの、傷は少しずつ癒えて塞がっていく。
「ほぅ……。腐敗の呪いを退けて回復させるとは……。」
「腐敗の……呪いだと……?」
メルゾディスいわく腐敗の呪いは回復能力を下げ、傷を大きくしていくものだという。
それを退けられる上位回復はやはり強い。
「ここまでやられたらこっちだって……!マイ……。少し下がっててくれ……。」
そして、詠唱。
石柱、そしてメルゾディスの足元に火がつく。
「『鍛冶場の煉獄』!
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火炎刀村正 レア度 ★★★★★★★★★★★★
鍛冶屋として名高い村正家の名をとった剣。
鍛冶場の煉獄内でのみ召喚が可能。
内部の火を吸収して炎の大きさを変え、威力の変更を可能。
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「この剣で一発撃ち込んでやるよ!」
僕は石柱の炎を全て火炎剣に吸収させ、メルゾディスの元へ駆け寄る。
ステルスソードを出してくるのは分かっていたのでステルスソードめがけてマルタの剣を投げ、剣を一時的に透明化させる。
「なにっ……!?」
「その剣の特性を活かしたのさ。剣の本体を透明化させるという考えに至ったのが失敗だったな。」
まずは火炎剣を一発。そしてもう一発。
お腹と胸に確実に当てていく。
この炎ならメッキが溶けて中のコアが見えてもおかしくないだろう。
「なかなかに……やるようだな。」
機械王のメッキは剥がれ、コアのようなものが見えている。
「だがな……!私の体はコアが見えてこその本体なのだよ……!」
メルゾディスは体を格闘家のようなポーズに変え、体の大きさを僕と同じ大きさにした。
「スキル……『不屈の精神』、『戦闘続行』!」
メルゾディスはそのまま僕にコアを隠さないまま突っ込んでくる。
コアが丸見えの今、剣を刺せば終わる。
それよりも前に剣が折られなければの話だったが。
メルゾディスの拳が僕の剣を折っていた。
さっきまでのメルゾディスなら素手ではこんな力は持ち合わせていなかった。
「だったら沢山あればどうだ……?『バイオレントハルバード』!」
僕はメルゾディスのコア目掛けて斧や槍を大量に飛ばす。
しかし、メルゾディスは斧を一個素手で掴み取ると全てをその斧で薙ぎ払い、おまけに僕の方へその斧を飛ばしてきた。
「なるほどな……。タダでは倒せないってわけか……。結界の力も効いてないみたいだしな……。」
僕は一度結界を解除してマイと合流した。
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