暗殺者の末路

「ははは……ここまでですか……。処刑される身というのはこういう感情なのはわかっていましたけどね……。」

「どういうことだ……?処刑人だから無慈悲に人を斬ってるものだと思ったけど……」

「そうでもないんだよね……。とある人を処刑する時は泣いて別の人に頼んだものだよ……。」

「そんなことが……。」 

「まぁ……。過ぎた話だ……。私ももう命は長くはない……。」

そう僕に語りかけてくる彼女は今は暗殺者のイメージすらもない。

ただ、1人の人間、サンソンとして僕に語りかけている。

僕はただ、そうだったのか……。

としか答えることはできなかった。

地面に咲いている赤いバラは彼女の最期と言わんばかりに広がっている。

「安らかに眠ってくれ……。」

僕とマイは彼女を追悼する。

「さて……機械王。これで邪魔者は消えた。」

「そうだな。かかってくるがいい。」

そう言いつつも機械王は一歩もその場から動かない。 

「マイ。僕たち舐められてるぞ。」

「そうみたいだね……。どうしよう……。」

「僕が念力剣を使って上から攻めていく。マイは前から突っ込んでくれ。」

「わかった。気をつけてね。ハルくん。」

「もちろん。」

僕は念力剣を左手に、ボンバーアックスを右手に持ち、空へと浮かぶ。

マイは機械王のビームを盾で防ぎつつどんどんと階段を登っていく。

機械王のほぼ手前まで近づいたところで僕はマイに合図を送る。

お互いの盾と斧が機械王に直撃するはずだった。

しかし、それは見えないバリアによって拒まれた。

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