魔法生物のぶつかり合い

「ていっ!」

僕はまずは一発ガーコイルの手下に攻撃を撃ち込む。

ゴウン。と音を立ててゴーレムもガーコイルに一撃を喰らわそうとしている。

「こんな岩の塊ごときに負けてたまるか!」ガーコイルの方も同じ魔法生物同志もあってか引かずに対面で戦っている。

剣とゴーレムの拳がぶつかり、みしみしと音を立てている。

「こいつ……即席召喚のくせに強いぞ……。」

「当たり前だよ。僕の特殊能力で作ってるんだから。」

「なんだと……!?貴様魔法使いか!?もしそうであればもっと貴様を倒さねばならない理由となる!」

「ふぅん……魔女狩りならぬ魔法使いがりね……。悪いけど僕はそういう類のものじゃあないよ。」

「こんな高速召喚魔法使い以外あり得ん!それ以外だというなら何者だというのだ!」

「気づいたらここに閉じ込められてた最強武器鍛冶とでも名乗っておこおうかな。」

「武器鍛治だと!?役職に合わない能力を……!ええい!こいつをどんな手を使ってもいい!異物だ!殺せ!」

「はぁ……そうなるか……。なら、こn……この子達を呼んでもいいよね……?」

僕は指をパチン。と鳴らす。

ゴゴゴゴゴ……と音がし、地面が揺れて地面の中に召喚させていた巨大ゴーレムこと巨神兵が現れる。

「なんだ……あの大きさは……!!隊長……!あれを倒せというんですか!?」

「何ビビってんだ!行くぞ!お前ら!巨大兵器対策の5の陣で行くぞ!」

ガーコイル達が新しい陣形を組んで巨神兵の元へ向かってくる。

「巨神兵。いけるか?」

巨神兵はいけるとは言葉では言えないものの攻撃体制に入りいけると示してきた。

「よぉし!一発決めちゃえ!」

巨神兵は両腕を少し後ろに下げ、ビームを溜め出す。

「魔術を使ってくる気だ!魔術シールドを張れ!」

ガーコイル達はこの巨神兵のビームを魔術と思っているらしい。

「やっちゃえ!巨神兵!あ!ガーコイルの皆さん!このビームは魔術じゃないのでご注意をー!」

巨神兵は慌てふためくガーコイル達に容赦無くビームを撃つ。

「さて!脱出だ!お疲れ様。巨神兵。」

僕はステッキを巨神兵に当て、巨神兵の召喚を解除する。

「さて、そろそろ飛ばしたゴーレム達が戻ってくるはず……おっ。来た来た。どうだった?」

ゴーレム達は身振り手振りでこっちは多い、こっちは少ない。倒されかけたなどを大きな体で表現している。

「なるほど……?ほうほう……。じゃあこっちを曲がって……?そっちのスラム街を通り抜ける!?いやいや、流石に無理だなんか他に……!ん?可能性だけどここの用水路が奥に繋がってるんじゃないかって?しょうがない……それにかけるか……。」

「いたぞ!あいつが第一部隊を崩壊させた少年だ!捕らえろ!」

「くそっ……流石にバレたか……!ゴーレム達!援護を頼む!」

僕は念力剣を使い、空へと浮き上がる。

「ゴーレム達!僕の周りを囲うように動きながらナビゲートしてくれ!」

僕はゴーレム達の分厚い岩の壁を利用してどんどんと奥へ進む。

「うっ!?右斜め後ろのゴーレムが破損寸前だ!少し回れ!ゴーレムを修復する!」

回ってくるゴーレムの背中に治療剣を刺しこむ。

「よし、これで大丈夫だ!次はあそこの用水路か……!ゴーレム達は一列になって入るぞ!僕は後ろから二番目にしてくれ!少し細工する!」

ゴーレム達は指示通りにすぐに移動し、用水路への地面を破壊して入っていく。

「っし。一番後ろのお前はすぐに入れよ!このギミックはすぐ発動する!」

僕はバブルソードを持ち、ゴーレム達の開けた穴に向けて撃つ。

僕にぴったりついてきていたゴーレムは泡が張られるギリギリをすり抜けて入ってきた。

「うわっ!なんだこれ……!ゆっくり下に落ちやがる……!」

「今だ!ゴーレム達!このまま奥まで逃げるぞ!」

「逃がすな……!くそっ!どけ!」そんな声も遠ざかっていく。今しかチャンスはない。

「ここを上か!出るぞ!このまま城まで直行だ!」

「いたぞ!あいつだ!」

「流石にこんなにたくさん待ち伏せしてるとはね……!バレてたか……!ゴーレム達……すまん!ここでお別れみたいだ……!」

僕はゴーレム達が攻撃を受けてくれているスキに包囲網から脱する。

「逃がすな!追え!追えぇぇぇ!」

「くっそ!どこまでも追ってきやがって!これでも喰らえ!」

――――――――――――――――――――――

閃光剣 レア度 ★★★★★★★

振ると周りにフラッシュをたく剣。

攻撃力は皆無に等しい。

――――――――――――――――――――――

「うっ……!眩しい……!」

ガーコイル達が目を押さえているスキに僕は物陰へと一旦みを潜める。

「城の方へ逃げたはずだ!急げ!我らが王が倒されてしまう!」

「なんとか撒いたみたいだな……。」

僕はほっと胸を撫で下ろし、一旦深呼吸をする。

「すぅ……はぁ……。よし、まだやれる。ここから脱出してマイの元へ戻らなきゃ!」

僕はもう一度召喚ステッキを手に握り、次の作戦に使う味方を召喚した。

「頼むぞ。お前だけが頼りだ……。」







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る