巨大メカ討伐作戦実行

「で、終わったわけなんだが……」

「ゴブリン達を返しに行くって事でしょ?」

「そういうことだ。」

「で、心配してるのはその間にドレッドロードもどきが来ないかってことね?」

「そういうこと。」

「任せといて!その時は私がなんとか抑え込んでおくから!」

「そうか。なら返しに行ってくる!」

「気をつけてね!」

「マイもな!」

僕はゴブリン達をゴブリンキングに返し、急いで穴のところへ戻る。

奥から何やらガチャンガチャン音がしている。

「マイ!大丈夫か!?」

「ハルくん!丁度いいところに!丁度ロボが穴にハマったところなの!出ようとしてて……!」

「任せとけ!」

僕は念力剣で土を浮かせてロボの上に落とす。

ガシャン!と大きな音がしてロボは土に埋る。

「これ以上抵抗しないといいんだが……。」

ゴウンゴウンと音がしてロボは地面から頭を出してくる。

「こいつ……!しつこいな!おらぁ!」

僕はボンバーアックスをロボの頭に思いっきりぶつける。

しかし、ロボはとても硬いのかびくともしない。

「!?なんだこいつ……!」

「ハルくんのボンバーアックスが効いてない……?」

「あぁ……!でも、これならどうだ!」 

僕はビッグキラーソードをロボに突きつける。

ガガガガガ……

すこし怯んだもののすぐに剣が折れ、使い物にならなくなってしまった。

「嘘だろ……」

ガガガガガ……!

ロボは段々と機体を起こしていく。

「どうするの!このままだと穴を脱出されるよ!?」

「んなこと言われたって!」

「部分的に分解とかできないの!?」

「分解……それだ!」

「思いついたの?」

「あぁ……!ただ、マイにはロボを抑え込んどいてもらうぞ?」

「無茶言わないでよ!」

「念力剣で土浮かせたりさせたのは誰かな……?」

「うっ……分かったよ……。やればいいんでしょ……やれば……。」

「うん。」

「ハルくんにかけるからね!」

「かけてもらって構わない……これが武器、アイテム以外で始めて出すかもな……。」

「そんなにすごいもの……?」

「そうじゃなきゃ出さない。精製!」

――――――――――――――――――――――

パワードマシンスーツ レア度 ★★★★★★★★★★★★★★★

対機械として必要な最低限の機能を取り揃えた追加防具。

機械の分解に向いたパワースーツ。

使用用途の間違いにはご注意。

――――――――――――――――――――――

「なにこれ……強そう……!」

「まぁ、分解しかできないけどな……。」

「それでもあいつに対抗できるって事でしょ!?」

「まぁ……一応な……。」

「頑張って私もあいつを抑え込むから!」

「任せたぞ!」

僕はスーツの小型ジェットパックを起動して、ロボの背中に回る。

「このジェットパック……持っても10分てところか……そこまでに決めてやる!」

僕は前へとレバーを倒し、ロボのネジらしきものがあるところへ向かう。

「ここか!それっ!」

僕はレバーについているボタンを押す。

すると、後ろから先っぽにネジのついているアームが出てきてロボのネジ穴へと向かう。

「頼む……これで部分破壊成功してくれ……」

アームは少しずつ回ってネジを緩めて外していっている。

「おいっ……まて!暴れるな……!アームが……!」

「大丈夫!今抑えるから!」

ロボがネジが外されていることに気づいたのか暴れ出そうとしだしたが、マイが反射を応用させて抑え込んでくれている。

「これで……右足は外れた!あとは後ろの左足だけだ!」

僕達が考えたのは対になる足を外すことでバランスを保つのか難しくなり、歩行不可になるのではという考えだ。

「後5分……間に合ってくれ……」

とは言ってもアームは決まった速さでしか動かないので正直、どれだけロボが暴れないかにかかっている。

「マイ!しっかり抑えといてくれよ……!」

「頑張ってみる……!」

マイもできる限り抑えているくれているので今しかチャンスはない。

「ここのネジさえ外れれば……うわっ!?」

急にロボが背中からビームを出してきたことに僕は対応できず、ジェットパックを破壊されてしまう。

「やっべ……バブルソード……!」

僕はバブルソードで落下の衝撃を軽減して着地する。

「マイ!大丈夫か!?」

「反射を使ってたから大丈夫!相殺できたよ!」

「ならよかった!くっそ……ここからはここからアームを伸ばしてやるしか……」

「え!?バリアを貼りだしてる……!?」

「マイ……!急いで出るんだ!こいつバリア内でなにかする気だ!」

「待ってて!すぐ行く!」

「こっちも頑張ってバリアを押しのけてみる!剣盾!!」

僕は迫ってくるバリアに剣盾をぶつけ、破損を誘ってみる。

バリアはパキパキと音を立てているが、横からも来ているため、挟まれそうだ。

「このロボ……自爆する気か!?」

ところどころにある空気を通すための穴から燃え盛るなにかが見えていることから僕は予想を立てる。

「マイ!急げ!おそらくもう時間がない!」

「待って!足場が悪すぎて……!」

「念力剣……!頼むぞ……!」

僕は念力剣を魔力を込めた状態でマイの元へ飛ばす。

「マイ!これを掴んで僕の方へ行こうって思い続けるんだ!」

「分かった……!よいしょっと!」

マイは念力剣の力でこっちに飛んでくる。

「タイミングよく避けるしかないな……ほっ!」

僕は剣盾を解除して飛んでくるマイをギリギリで避けた。

「あっ……マイ。見ろよ。」

「えっ……」

ロボは光を放ち、自爆していった。

「ここの道はもう通れないな……」

「そうだね……別の道を探さなきゃだね……」

僕達は絶望しながらロボの残骸の埋まった穴を見ていた。

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