討伐作戦会議

「て、訳で右も制覇だ。」

「やったね!これであとは右だけだよ!」

「そうなんだが……」

「だが……?」

「右の通路の一体目の敵は倒せたんだが、二体目がとても固くて倒せそうにないんだ。」

「なるほどね。相当硬い敵って訳ね。どんな敵なの?」

「ドレッドロードのような見た目のロボットの敵だ。」

「絶対それライマルクさんの趣味で置かれてるでしょ……」

「かもな……」

「どっちにしろそいつの破壊方法を考えないといけない訳ね。」

「そう言うことだ。」

「だったら私にいい案があるよ!」

「なんだ?変な案だったら許さないぞ……?」

「まさか!そんな変な案は考えないよ!」

「じゃあなんなんだ?」

「落とし穴に落とすのよ!」

「落とし穴!?」

「そう!それで上から一方的に攻撃するの!」

「意外に名案かもな……」

「でもどうやって穴を掘るの?」

「僕のドリルを使うか……?」

「足りないと思う……それにどうやって掘ったあと戻ってくるの?」

「あ……そっか……」

「なんとか代わりに掘ってくれる人が……」

「そうだ!ならあいつに頼れば……!」

「当てがあるの?」

「もちろん。」

「どこにいるの?そのあてになる人は?」

「人じゃないけどな。」

「え?」

「こっちだ。」

「そっ、そっちはゴブリン達がいたところだよ!?」

「そうだぞ?そこまで考えつけばもう分かるだろ?」

「ゴブリンを頼るってこと!?どうやってよ!」

「それも当てがあるから安心しろって。」

僕はまた通路の一番奥まで向かう。敵もいないのでゆっくりと歩いて向かう。

道中ちびゴブリンと目が合い、合図をする。

ちびゴブリンは急いで奥へと走っていく。

「よし、これであいつには通じるはずだ。」

「あいつ?」

「まぁまぁ、先に進めば分かるさ。」

「この扉の先ってこと?」

「そうだ。開けてみな。」

「え?」

「いいから。大丈夫。攻撃的な奴じゃない。」

「じゃ、じゃあ開けるよ?よいしょ!」

「おや?お嬢ちゃんが……いや、お前もいるのか!」

「当たり前だろ?なんでちびゴブリンがこいつの顔で行くと思った?」

「それもそうだな。で?何の用だ?」

「ゴブリンを少し貸してほしい。労働ができそうな奴をな。」

「分かった。いいだろう。」

「マイ。グロいのは嫌いか?」

「別に大丈夫だけど……」

「だってよ。出していいぞ。」

「分かった。おいしょっと!」

「きゃっ!?え?あの人男の人だよね?」

「ゴブリンは精霊だから関係ないぞ……」

「そういうこと……?」

「あぁ。」

「この程度でいいか?」

ゴブリンキングは3体のいかにもがたいが良く見えるゴブリンを出してくれた。

「あぁ!十分すぎるくらいだ!」

「ならばよかった。こいつらは死んでも一応構わん。」

「そうか……もしかしたら返せないかもしれないが許してくれ。」

「大丈夫だぞ!気をつけてな!」

「あぁ!ありがとな!マイ。行くぞ?」

僕は部屋の壁に向けて嘘だ嘘だそんなはずはないと言い続けているマイを引っ張って部屋を出る。

相当ゴブリンのことでショックを受けたらしい。

「おい……しっかりしろ?」

「無理……なにあれ……」

相当マイにはトラウマになってしまったらしい。

「少し休むか?俺一人でもお前の方法なら倒せるが……」

「大丈夫……。行く。」

「分かった。でも無理はするなよ?」

マイは本調子ではないように見えるがついて来てくれるらしい。

「ゴブリン達。これを使って大穴を掘って欲しいんだ。」

ゴブリン達は納得したのか動かした状態で渡したドリルで地面に穴を開け始めた。

「よしよし、これなら今日の夜には終わるな。」

ゴブリン達はものすごい勢いでドリルを地面にぶつけているので掘るスピードが桁違いだ。

「意外にゴブリンキモくないかも……?」

マイもやっと慣れて来たようで普通にゴブリンの作業姿に感心している。

「そういえばさ、ハルくん。」

「ん?」

「念力剣使えばハルくんでも戻ってこれたね。」

「あ……。」

「まぁ、いいんじゃない?ゴブリンを返せるし。」

「そうだな。それに僕一人じゃ絶対こんな早く終わる予定は立たなかったよ。」

「確かにね。」

「さて、終わるまでにどうやって倒すかの作戦を考えよう。」

「上から大きな一撃を喰らわせるのは?」

「やっぱそれだよな……ボンバーアックスとビッグキラーソードを多用すれば倒せそうな予感もする。」

「もし、あのロボもどきが飛行能力持ってたら……?」

「うーん……どうしようか……」

「その時は短期決戦に持っていくしかないよね……」

「または上からこの土を落とすトラップを……」

「それだ!念力剣で土を浮かせといて!」

「結局僕が負担多いだけじゃん!」

「まぁ、そうだね!」

「そんな笑顔で言うなよ……労力を考えてくれ……労力を……」

「頑張れー!」

「いや、おかしいだろ!」

「って言われたってハルくんしか使えないでしょ……?」

「まぁ……な。」

「じゃあ決定で!」

「勝手に決定するな!」

「じゃあ浮遊されたら負けにする?」

「その言い方はずるいだろ……」

「て言うことで決定!!」

「はいはい……わかりましたよ……」

結局マイに振り回されて僕ばっかり働くことになってしまった……。

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