ゴブリンコアと無限生産

「ほぉ!シュリエルを撃破し、しかも加護までつけてもらったと!」

「そうなんですよー!最初ハルくんは疑ってて……むぐぐぐ……」

「恥ずかしいからそれ以上言うな。マイ。」

「えぇー……せっかく面白い話なのに……」

「そっちが面白くてもこっちが面白くねぇんだよ……まったく。」

「まぁまぁ!もっと仲良くなったのはいいことだよ。」

「ま、まぁ……確かにそうだな……」

「そうなの……かもね。」

「で、だ。」

「次の進むべきルートだよな?」

「そうだ。」

「次のおすすめは左のルートだ。」

「左だな。」

「そういえば……防具の修復はしなくて大丈夫なの……?」

「聞いて驚け!木の精霊の加護の効果で防具の耐久は勝手に回復するんだ!」

「すごい!それはいいや!」

「なにそれ!最高じゃない!」

「だろ?これの効果によって防具の修理のお店も必要なくなった。」

「最高じゃないか!これは冥界抜けても続くのか?」

「あぁ!お前たちが死なない限り永続的にその防具に着き続ける。」

「だから付け直したくなったら来てって言ってたのね。」

「なんだと!?付け直しまでしてくれると約束してくれたのか!?」

「そうなの!」

「それはいい。じゃあ左に行っておいで!また新しい戦い方を身につけられるだろうよ。」

「「はい!行ってきます!」」

そして僕たちは左の道を進んでいく。

地面は段々と土に変わっていく。

「土になったな……」

「そうだね……。地面に気をつけないともしかしたら敵が潜ってるかも……」

「それはあり得るな。気を引き締めていこう。」

「ん!?待て。マイ。そこで動きを止めろ。」

「え!?うん。分かった。」

「ゴブリンの声がする。」

「ゴブリン……!?」

「あぁ。それも結構量が多そうだ。」

「どうする?」

「別ルートで行きたいが……」

そういって僕が一歩踏み出した瞬間、ゴブリンの雄叫びが聞こえた。見張りのゴブリンに見つかってしまったらしい。

「マイ、すまん……今回は俺がやっちまったみたいだ……」

「もう……バレないで行きたかったのに。」

「しょうがないじゃないか……やるしかない。」

「分かったよ……。後ろは任せて。多分ゴブリンにも炎は効くはず。」

「分かった。そっちは任せたぞ。こっちは任せろ。」

僕はマルタの剣と炎魔剣を二刀流でもち、ゴブリンの群れに突っ込む。

「多少の傷程度痛くないぞ!喰らえ喰らえ!」

逆手にマルタの剣、順手に炎魔剣を持っているため、180度全面に攻撃が楽にできるのだ。

「おらおらおらぁ!そんなもんか?真ん中の方が強かったぞ?」

ゴブリンは真ん中の敵たちに比べて一体一体がとても弱い。ただ数が多いだけだ。

「にしてもこいつらどんだけいるんだ!?」

斬っても斬ってもゴブリンは減らない。無限湧きかと言うほどに数がいる。

「無限湧き……まさか……マイ!ここ押抑え込むの任せていいか!?」

「は!?一人で!?バカなの?なんでよ!」

「このゴブリン達のコアを壊してくる!」

「コア?」

「奥にこいつらを無限に生産する奴がいる!だからそいつを撃破してくる!」

「分かった。でも絶対死んじゃだめだよ!」

「死なない程度に頑張ってくるよ。」

「なんか行くまでに最後に手伝えることある?」

「一瞬だけ盾になってくれ。」

「なにするの……?」

「一瞬だけどこいつらを一掃する。それで出どころを掴む。」

「分かったよ。じゃあこっちも『反射』で援護するね。」

「頼む。」

僕はチャージソードを構え、少しチャージする。

「マイ!行くぞ!」

「「せーのっ!!」」

僕とマイのビームはゴブリン達を一掃していく。

「そっちか!分かった!マイ!ありがとう!行ってくる!」

「気をつけてね!」

「任せとけ!」

僕は通路を最短で行くためコーナーを走る。

「邪魔だ!邪魔だ!おらぁぁぁ!!」

僕は道中コアから生み出されて出てきたとされるゴブリン達を斬っていく。

「こっちの通路か!」

二手に分かれる通路があるがゴブリンが大量に出てきている方を進めばいいので分かりやすい。

――――――――――――――――――――――

ステルスソード レア度 ★★★★★★★★★★★★★★

斬った後に斬った本人の姿を一時的に見えなくなるもの。

ただし、大群を前にしか使用不可。

――――――――――――――――――――――

「使ってみるか!おら!」

ゴブリンを斬ると僕の防具と体が一時的に透明になる。

カチ、カチと時計のような音がし、音の感覚が短くなっていくことで時間切れまでを示しているらしい。

「どうもー!神出鬼没の勇者ですー!」

僕は透明が切れてはゴブリンを斬り、透明化して奥へ進む。

「密度が低くなったな……この剣は出番終わりか。」

僕はステルスソードをその場に捨てる。

「ここからはこいつの出番か。」

僕はボンバーアックスを持ち、奥へと向かう。

「あそこの部屋か。警備が前にいるもんな……」

僕はスカイソードを持ち、二人の門の横に立っている番人達に向けて剣を飛ばす。 

「これで入れるな。」

扉をゆっくり開ける。

「は……?」

入った先にいたのは太って大きくなったゴブリンだった。

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