司どしもの

「ここがボス部屋か……」

「壁の模様も禍々しいだけじゃなくて光ってるし明らかにヤバそうって感じよね……」

「まぁ!こいつを倒せば真ん中のコースは制圧だ!頑張ろう!」

「うん!」

「開けるぞ……?」

「大丈夫。準備はできてる。」

「よいしょっと!」

「あれが……ボス?」

「そうみたいだな……。ゴーレムと鉱石が合体したような見た目だな……」

「クリスタルゴーレムって感じね……大きい……」

「でもやるしかない!やるぞ!」

「うん!」

僕はビッグキラーソードを持ち、ゴーレムの普通ならハッチのあるところへ向かう。

「……!?ハッチがない!?」

「嘘……!」

「ハッチがなくてもここは弱いはずだ!おらぁ!」

カキン!

「駄目だ……!全く攻撃が通ってない!」

追撃効果の追撃も全くもって聞いてる気配がしない。

「なら私の反射を使って火属性攻撃を……!」

「やってみるしかないな……」

「ほらほら!ゴーレムさんこっちだよ!」

マイはゴーレムを引き寄せている。

「そうだ……今のうちにチャージをしとけば……!」

僕はマイがゴーレムの攻撃を受けている間にチャージソードのチャージをする。

「『反射』!!」

「今だ!チャージ解除!いっけぇぇぇ!」

僕はマイの反射のビームと一緒にチャージソードのビームを撃つ。

2本のビームの当たったゴーレムの体は鉱石の厚い層が崩れ落ち、本体が見えていた。

「あの赤い部分がコアか!あそこを狙うぞ!少しずつ再生してきてるから早いとこケリつけるぞ!」

「もちろん!」

僕はボンバーアックスを手に持ち、ゴーレムの本体に当てる。

ゴーレムの体は少し削られ、コアに近づいていく。

「攻撃したのが間違いだったわね!『反射』!」

マイの反射のビームがゴーレムの本体へ当たる。

「周りの鉱石の再生が一時的に止まってる……?今しかチャンスはないな……」

「やるしかないみたいだね!」

マイはそのまま盾を構え、ゴーレムの本体に向けて盾を勢いよくぶつける。

「ハルくん!コアまではあと一歩!あとは頼んだよ!」

「あぁ!任せとけ!おりゃあああ!!!!!」

僕はビッグキラーソードをゴーレムの本体に突きつける。

本体は割れ、コアが丸出しになった。

「ハルくん!もう一回攻撃しないと!なんでこっちに戻ってきてるの!?」

「必要ないからさ。」

そう言った直後に追撃効果が発動し、ゴーレムのコアの近くで爆発が起こる。

「え!?今の爆発は……!?」

「この剣の効果。巨大な敵に対しては追撃効果があるのさ。」

「すごい!」

「って……待て!マイ!下がれ!」

「えっ!?」

その先にはゴーレムの鉱石が砕けて雪崩のように流れてきていた。

「うわぁぁぁ!?」

「んで?あんたは誰だ?」

僕は雪崩の先に見える影に向けて声をかけた。

「私はシュリエル。クリスタルマッシュルームを司どしもの。」

「僕はハル。お前を倒しにきた勇者だ。」

「そう簡単に倒されるものですか。行きなさい!部下達!」

「普通のクリスタルマッシュルームと違う!?」

「そりゃあそうよ。こう言う時のために作った特別品よ。」

「マイ。カモが来たぞ。」

「みたいだね。」

「シュリエル!お前の相手はこの僕だ!マイ!取り巻きは頼んだぞ!」

「任せて!」

「そう簡単に巨大な私を倒せるかしら……?」

「いけるぜ。これならな!」

ビッグキラーソードでシュリエルの出してくるツタを切っては上へと向かう。

追撃効果で下の方にもダメージがあるようで少しずつ弱っていく。

「なんで……!なんでなのよ!どうして私が……!」

「この剣はお前に対して効くからな!体が大きかったのを後悔するんだな!」

「なんだと……!?待て……!そこは攻撃しないでくれ!そこは……!」

「そこが弱点か……!今更ツタで覆ったって遅いぞ!」

僕はツタの塊にボンバーアックスをツタの塊にぶつけ、ツタを破壊する。

「そこだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

僕は弱点と思われるところにビッグキラーソードを刺した。

「あああああああああ!そんなぁぁぁぁ!」

「よし……。これで終わりだな。」

「まさか……やられるとは……不覚……」

「ハルくーん!こっちも終わったよー!」

「よっし!終わりだな!」

僕たちは部屋から出て帰ろうとしたが……

「待ってく……!1つ話があるのよ!」

「まだ生きてたのか……」

僕はビッグキラーソードを手に持ち、シュリエルに向ける。

「やめて!悪い話ではないのよ!」

「なんだよ……?」

「あなた達に精霊のご加護をつけてあげようと思って。」

「そう言うって命乞いって訳か?」

「違うわよ!じゃあ今かけてあげるわね!えいっ!」

「ん!?これはなんだ?体にふわふわしたオーラが……」

「それが木の精霊のご加護よ。」

「本当だったって訳か。」

「だから言ったじゃない!」

「疑って悪かったな……加護をつけて欲しい時はここに来ればいいのか?」

「そうね。いつでも待ってるわよ。」

「ありがとな。」

「ありがとう!シュリエルおねぇさん!」

「あらあら……おねぇさんだなんて……私はもう500年は生きてるわよ。」

「「嘘でしょ……」」

僕たちはその場で言葉を失った。


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