ドラゴン退治の準備
「久しぶりに使うからなぁ!失敗しても責めないでくれ!」
そう言ってライマルクさんは何やら詠唱を始めた。「我が親愛たる冥界の使者よ。我に力をお貸しくださいませ!はぁぁぁ!」
その後、物凄い光が発せられた後で魔法陣の上にいたのはペリカンにしては体が大きく、猛禽類かと言うと爪は弱そうなペリカンもどきが出てきた。
「な……なんだこいつ……」
「おぉ!こいつはいいのを引いたな!こいつはペリクーンというやつだ!この口の中はほぼ無制限に収納箱が広がっているんだ」
「おぉ!それはありがたいな。早速荷造りをするか。」
そして、荷造りをし、その日はライマルクさんの家で泊まり、夜を明かした。
翌朝、僕たちはギルドの前へ向かうとそこには沢山の冒険者がいた。
「こんなにたくさんの人が…」
「あぁ……武器もいろんなのが見られるな……」
それこそ銃から剣、斧、鎌、タイヤとか戦闘でどう使うかよくわからないものを持っている人もいた。本当にあれでも高ランク冒険者なのだろうか……
そんなことを思いながら「よろしくお願いします」と挨拶をして回っているとガルディーヌギルド長が出てきた。
「冒険者の皆様。本日はお集まりいただきありがとうございます。本日ですが隣町、ヴァプトンにて大量出現いたしましたドラゴンを討伐してもらいたいと思っております。また、本日は特別に月の狼の皆様も協力してくださるとのことです!」
「やっぱりか……」僕は一人小さくためいきをつく。
「冒険者の諸君!今日は集まってくれてありがと
な!」と、ガスパオロのスピーチが始まる。
「あれ?ハルくん……大丈夫?顔色が変だよ?」と、マイが心配してくれる。
「あぁ。大丈夫だ。けど、あの人とはちょっと前に色々あってな……」
「なるほどね……確かに少し何かありそうな顔してる……」
何かありそうな顔……?普通の人とあんまり変わんないんじゃ……いや、スキルで何か見えてるのか……?この際だから聞いてみよう。
「なぁ、マイ。前から気になってたんだけどさ、お前もしかして……スキルか何かで人とか物とか鑑定とかできるのか……?」
「それは秘密です!」と、秘密宣言をされてしまった。
そうこうしているうちにガスパオロの演説が終わったらしい。
すると、ガルディーヌギルド長が「今回は危険な戦いとなるため、チームを組み合わせてバディを組んでもらう。組めたチームからここに申請に来てくれ。」
「バディだってよ……どうする?マイ。」
「うーん……私はなんだっていいですよ!」
どこかに声をかけてみるか……と思っていたとき、後ろからポンと肩を叩かれた。
後ろを振り向くとそこにはジュデボラがいた。
「ハルくん。今回だけは私達と組まない?」
「えっ……」僕は絶句した。なんで僕が嫌いなガスパオロのいるパーティーに……と思っていたがガスパオロの姿は見当たらない。
「あれ……?ガスパオロは?」と聞くと、「あぁ……!あいつならハルくんと食事に行った日からなんか様子が変だから演説だけ頼んであとは休んで貰ってるのさ。」
「なら、いいかな。マイはそれでいい?」
「問題ないよ。」こいつまたキャラ作り始めやがったな……
「あ、あと僕達あれだ、ペリクーンっていう輸送用のモンスターを連れてるから間違えて倒したりしないようにしてくれ。」
「りょーかい。じゃあ、申請行こっか。」
申請を済まし、全員でまとまったところでやっと出発となった。
「今回のドラゴン達……相当強いって話みたいだ……大丈夫かな……」
「ハルくんなら大丈夫だよ。」とジュデボラが言ってくれた。
「確かにねぇ。僕はあの時の龍魔剣を使おうかな……!」ウェイアンさんはあの時の龍魔剣をしっかりとキューブに覚えさせているらしい。
でも、僕は今回は別の武器を使うよ。と思いながらその武器をイメージしようとする。
スライムキラーソードを応用し、ドラゴン用にするのだ。
「急所を確実に把握できて、ドラゴンを真っ二つまでとは行かないが傷つける程度の武器……」
今までに蓄えてきた思考の中を探る。
「これだ!」
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ドラゴンキラーアックス レア度 ★★★★★★★★★
ドラゴンに対して決定打を与えるために作られた武器。重い代わりに一撃はとても大きなダメージを与えられる。
ドラゴン族の相手は弱点が青く光って確認できる。
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「これなら行けそうだな。」
「ん?どうしたんだい?ハルくん?」
「いやっ、別に。ただ戦い方を思いついただけだから。大丈夫だよ。ジュデボラ。」
「おぉ、後で教えてほしいな。立ち回りが今回は大事だと思うから。」
「わかった。」
なんとかごまかせた……これは着くまでに作戦を考えないとな……
――――――――――――――――――――――
「作戦はこうするつもりだ。攻撃役は僕とジュデボラとウェイアンさん。防御役はラーイーダとマイ。それで、防御役の二人はドラゴンのヘイトを買ってくれ。その間に僕たちが一気にたたみかける。」
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