精製vs生成
「やっぱりお前か……。」
入ると向かい側にはガスパオロがいた。
「いつでも来ていいですよ。」僕はそう答える。
「ふんっ……言われなくてもわかってるさ。」
お互いに用意完了を審判に合図する。
「ルールはシールド付き一撃先制型。アイテムの持ち込みは一つまで。試合中の選手の観客席エリアへの立ち入りは禁止です!シールドが破壊された時点で終了です!それでは……ファイト!」
「先手必勝!」ガスパオロが剣を持って突っ込んでくる。しかし、重い物を無理に使っているな……遅い。
「スキルオープン。マルタの剣を精製。」
僕はマルタの剣を手に持つとガスパオロの剣を受け止める。
「何っ!?レア度はこっちの方が……」
「まだわかってないんですね……!武器は自分に合うものを使わないといくらいい武器でも腐るんですよ……!」
「っち……お前……俺を舐めおってぇぇ!!」
ガスパオロさんが僕の剣に重い一撃を何度も当ててくる。
流石に自分よりも力の強い人には敵わない。僕の剣は跳ね飛ばされ、遠い地面に刺さる。
「貰ったぁ!!」ガスパオロが剣を投げてくる。
「スキルオープン。ガルフスの盾を精製!」
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ガルフスの盾 レア度 ★★★★★★
マルタの剣と共に大蛇退治に使われた盾。
表面にはトゲがついている。
(マルタの剣とセットで使用で盾の耐久値アップ)
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ガスパオロの剣をしっかり防ぎきるとマルタの剣をもう一本作る。
そして斬りにかかる。
「弱いっ!!」やっぱり弾かれるか……
「そろそろこちらのスキルも使わせてもらおう。スキルオープン!
そう言うと地面に落ちていた2本のマルタの剣があの日に受け取っていた玉に吸い寄せられていき、合体する。
「おいおい……待てよ……」そこにあったのは昔に現れたドラゴンを倒したときに使ったとされる龍魔剣があった。
「こりゃあ軽くて使いやすいな。それに切れ味も良さそうだ。」まずい……レア度が高くて強い上に軽い……しかもギリギリガスパオロの適正範囲内みたいだ。一気に攻撃スピードが早くなってる……「何か手立てを考えないと……盾で受け続けるのにも限界がある……そうだ!」
ライマルクさんの廃棄箱から……あれさえ出せれば!そう思って僕は貰ったレシーバーのような物のボタンを決まった順で押していく。
そうすると自分の前に素材が落ちてくる。
「スキルオープン!飛行剣を精製!」
――――――――――――――――――――――
飛行剣 レア度 ★★★★★★★★
剣の先はスライムの粘液のため、剣自体には殺傷力はないが、振った方向に半ホログラム化した剣を3本飛ばす。
――――――――――――――――――――――
「マシンスライムの粘液やっぱり使えるな……あとはマルタの剣を精製してっと。」
僕はマルタの剣と飛行剣の二刀流に持ち替える。
「なんだ……?その弱そうなドロドロした剣は。」
「見ればわかるさ。これがお前をノックアウトさせる剣だ。よ〜く覚えておけ……?」
まずはマルタの剣を構え、高速で相手の懐に入り込もうとする。
もちろん龍魔剣に弾かれる。ここまでは想定内だ。そこで飛行剣を振るう。
3本のホログラム剣がガスパオロに向けて飛んでいく。
ホログラム剣はなにかに当たれば消えてしまう。しかし、当たらなければそのままターゲットへ向かう。
必ずやガスパオロは弾くために剣を振るうはずだ……その隙を狙ってマルタの剣で切り込みに行こう。
「なんだこの剣は!?切ったら消える……だと!?」よしよし……あと一本斬ってくれれば……と思ったがガスパオロはそれを避けた。
「は……?」想定外の行動に僕はそれしか言葉が出なかった。
「やっぱりな……そうだと思ったよ。君が最後の一撃だけ少し遅れて飛ばしたのもそのためだろう?」
「くっそ……」
「さぁ、仕切り直しといこうか。」
「あぁ……。」
作戦失敗だ。
そもそも、なんでウェイアンさん以外もこんなに強いんだ……?ありえない……なにか装備でも……
まさか……!
僕はガスパオロの首元を見た。
そこには一つのチャームがあった。
「やっと気づいたか。このチャームは龍王のチャーだ。」
「あれ……?消えた……」
チャームは粉々に崩れてしまった。
「崩れた……?」
「あぁ。共鳴度が低かったからな……」
「共鳴度……?」
「いずれお前なら分かるさ。お前ならわかると思うがとある原因で俺は攻撃力が格段に低い。チャームがない今、俺はお前とは張り合えん……。後は他の奴らに頼むしか無いな……」
「勝負あり!ハル選手の勝利!」
まずは一戦目。勝利を収めた。
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