転生先の世界

追放

「お前、違いだったのかよ。役立たず。」

「しかもレア度低いのしか作れねぇしな。」

「ほんと。あの馬車の時以来作ってないよね。」

「しかも私はサポートとして戦闘中にちゃんと守ってるのに貴方は突っ立っでるだけじゃない……」

「ちょっ……ちょっと待てよ!戦わなくていいって言ったのは君たちだろ……!?約束が違うぞ!」

「私はそこにイライラしているのではない……。」そう言いながらリーダーがこっちに歩いてくる。

「お前のそのスキルのレア度の高い武器なんか作れないにイライラしているんだ。」

無能だって……!?こっちは適応レベルも考えて作って渡してるのに……

「武器の適応レベルを考えて渡してたんですけど……」

「ナメてんのか!!」物凄い怒号がギルド内に響く。

周りにいた他の人の目線が全てこっちに吸い寄せられる。

「俺らがこんな星4武器までが適正っつーのか!おい!」

この人は何か勘違いをしている。

「武器というのはレア度が高いからと言って強いわけではありません。その人に一番合う武器こそが強い武器なのだと僕は考えてるので。」

それは前世でやっていたテニスで嫌というほど学んできた。いいブランドのラケットを使ったって合わなければ使いこなせない。それなら普通のラケットでも自分に合うものを使え。それが僕達のコーチの教えだった。学生の僕でもわかるのにそれがこの人達は分かってない。

「ナメた態度取りやがって……もういい!お前は解雇だ!!二度と俺の前に出てくるんじゃねぇ!次あったらボコボコにしてやる!覚悟しとけ!」

そう怒鳴り散らしてリーダーと元パーティーメンバーは出ていった。


「はぁ……物分かりが悪いと困るね……そのうち後悔するタイプだ……」

そうつぶやきながら僕は転移した日から今までにパーティーであったことを思い出しながら歩き出した……

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