第128話 神の降臨

 世界が光に包まれる。

 膨大な魔力が教会の天井を破壊し、太陽を顕にする。



 ゴーンゴーン  


 

 鐘の音がその場に鳴り響く。

 天上より光が降り、天上が割れる。


 ゴーンゴーン

 

 鐘の音が鳴り響く。

 雲が神々しく光り輝き始め、世界を照らし始める。

 きれいな白鳥がその場に飛び回ってくおり。


 亀裂が。

 

 その場に巨大な亀裂が走る。


 その亀裂を照らすように後光が指す。

 ……そして、亀裂から膨大な魔力と光をが漏れ出しながら、一つの巨大実体が姿を現した。


 三対の光り輝く翼を持った全長10mはあると推測される巨大実体。

 頭上には黒く輝く円盤が存在し、頭からは2つの角が伸びている。顔は美しい、この世のものとは思えないほどにきれいな女性のものであり、純白の衣を纏っている。そして、その衣の真ん中には謎の紋章が刻まれている。

 下半身には足が無く、その代わりに幾つもの複雑に絡まった翼が存在している。

 両手は祈りを捧げているように閉じられている。

 

 そんな神からゆっくりと落ちる羽。

 それらが王都に落ちていく。


「あぁ……神よ……」

 

 教皇は涙を流し、祈りを捧げている。

 ……こいつは何処までもどうしようもないまでの狂信者なのだ。神を復活させ、神に逆らう反逆者共を皆殺しにし、世界を教会の色に染める。

 その目的にこいつの個人的な野望は存在しない。

 心の底からこれはそうなることが絶対の正義であり、そのためなら幾らでも人が死んでいいと思っているのだ。


「良く見ておくが良いよ。……君が多くの犠牲の末に生み出したガラクタを」

 

 僕は空に浮かび上がり、神の前にまでやってくる。


「人類に神なんて必要ない。人を救えるのは人だけだ」

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