第126話 帝国軍VS神国メシア軍

 ローオス帝国軍の進軍。

 それは破竹の勢いだった。

 

 ローオス帝国の優れた工業力を持って作られた防具を身に包み、進軍する帝国歩兵軍集団が敵兵の攻撃を一手に引き付け、敵を槍で串刺しにし、帝国弓兵軍集団と帝国魔導軍集団が容赦なく遠距離攻撃の雨を降らせる。


 屈強な軍馬を乗りこなす帝国騎士軍集団が敵軍をかき乱し、様々な特殊な武器や魔道具で武装した帝国特殊軍集団が混乱する敵軍を殲滅する。


 神国メシアで英雄と呼ばれるような強者は帝国精鋭軍集団によって倒されていく。


 世界でローオス帝国だけが保有している空を駆る軍。魔法と魔道具による効果で空を自由自在に飛び回る航空戦力。

 帝国航空軍集団が敵の司令部を叩き、壊滅させた。

 

 帝国補給軍集団と帝国衛生軍集団が、この大きな軍集団をしっかりと全て支えきる。

 

 神国メシアが誇る魔導生物たちは、同じく帝国の保有している魔導生物や改造精鋭兵によって倒される。

 

 強力な魔法を所持している『規格外』の強者たちの数もローオス帝国の方が遥かに多い。

 神国メシアの規格外は、ローオス帝国の規格外によってに囲まれ、倒されていった。


 ローオス帝国軍は神国メシアによって侵略されていた国にいた十字軍を全て殲滅し、神国メシア本土を侵略していた。

 暗殺部隊によって神国メシアの有力者や貴族、聖職者が次々と暗殺されていっている。


「勝ったな」

 

 総司令官であるエリュンデ公爵家当主は受け取った全ての報告に目を通し、そうボソリと呟く。

 神国メシアとローオス帝国の戦争の優勢ははっきりと決まった。

 もはや、神国メシアが逆転する方法などないだろう。


「……あの狂人も動いている頃だろうしな」


 エリュンデ公爵家当主がガイアのことを考えている時、




『いいや。もう終わりだ。終わり。全てが終わりだ』


 

 

 どこからか、大陸全土に響き渡るガイアの声が聞こえてくる。

 そして、空には──────教皇とガイアが映る巨大な映像が流れていた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る