第124話 帝国でのゴタゴタ
ローオス帝国 帝都の大通り
そこを一つの一団が通っていた。
ローオス帝国の王族である第二皇女を筆頭にイグニス公爵家当主である僕やグニギラ連合国のトイ民族の長、アレシア。他にも第二皇女に付き従うその他の貴族たち。
そしてその後ろに続く多くの
この一団の最後尾には捉えられ、棒に括り付けられて晒されている第七皇子と第二皇子の姿も捉えられた。
「ど、どうなって……」
「黙れ、動揺を見せるな」
大通りを歩いていると、困惑し動揺している騎士や貴族の人間の姿を捉えることができる。
まぁ、それも当然の反応だろう。
第七皇子の部隊の壊滅と第二皇子の部隊の壊滅はあまりにも素早く行われ、帝都にも未だに報告は届いていない。
グニギラ連合国から帰ってきた第二皇女が何故か第七皇子と第二皇子を捕縛している。
困惑の極みとしか言いようがないだろう。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「第二皇女殿下!バンサイ!!!」
そんな騎士、貴族たちとは対象的に民衆は湧いていた。
第七皇子と第二皇子の熾烈な戦いに辟易としていた帝都の民衆は内戦を終わらせてくれた
もとより第七皇子も第二皇子も民衆に好かれておらず、第二皇女は民衆から強い支持を受けている。
こうなるのも当然だろう。
民衆からの拍手喝采を浴び、堂々と大通りを歩く二人の皇子を捕縛した第二皇女の姿。
そんな彼女の姿は誰よりも皇帝に相応しいものだろう。
■■■■■
第二皇女の宰相並びに各貴族たちへの報告。
それに僕は必要ない。
僕は第二皇女の報告と質疑応答が行われる貴族会議には出席せず、王城の廊下を歩いていた。
貴族会議は重要な一大事が起きた際に貴族たちが集まり、会議する場である。貴族は貴族会議に参加するように求められるが、強制ではない。
「やぁ、エリュンデ家当主君?」
僕は王城にいた、僕と同じように貴族会議に出ていない一人の男に声をかける。
「……ッ!これはこれは。イグニス家当主。いかようで?」
「なぁに。ちょっとした野暮用だよ」
僕は笑みを浮かべた。
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