第109話
「ふぅー」
私、ドライは息を吐く。
ついさっき壊滅させた神国メシア正規軍の死体の上で。
スキア様に教えてもらった自慢の戦い方で壊滅させた部隊だ。
「スキア様考案の煙弾の銃は画期的ね。流石はスキア様だわ……」
私は偉大なるスキア様の天才的過ぎる頭脳に感服しながら、他に煙が上がっていないかどうかを眺める。
神国メシアによるスミリア王国への本格侵攻。
それが今から一週間前に始まった。
当初は一切動きのなかった神国メシアの軍勢は突然大きく動き始めたのだ。
神国メシアの正規軍と志願したとして志願兵がスミリア王国へと流れ込んだ。
教えを広めるために命を捧げた志願兵、というか教会の教えにどっぷりと浸かった教徒たちは自らの命なぞ顧みず、突撃してきた。
そしてその志願兵の数は10万に登る。
10万人による自らの命を顧みない決死の突撃によってスミリア王国の前線は崩壊。
私一人の力ではどうにもならなかった。本陣は壊滅させたけど。
第二防衛戦まで、スミリア王国騎士団は撤退。
今はゲリラ戦で神国メシアの侵攻を食い止めようと、必死の抵抗中である。
「あっ」
私は遠くで上がった煙を見つける。
「行くか」
大地を蹴り、空中を走る。
煙の向いている方向を、天空から偵察し神国メシアの正規軍を探す。
「みーつけた」
えっちらほっちらと進軍している正規軍へと私は突撃した。
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