第96話
神国メシア内部で起きてしまったプロテスタントによる内乱。
開始からしばらく、内乱の鎮圧にはとある一つの組織を除く全ての組織、国の予想に反して長引いた。
しかし、だからといって神国メシアが反乱分子なんかに負けるはずがない。根絶やしにするレベルで徹底的な虐殺を続け、その反乱のほとんどを鎮圧してみせた。
生き残った僅かなプロテスタントたちは、スミリア王国へと逃げ出していた。
神国メシアとスミリア王国のにらみ合いが続いていた。
そんなときのことだった。
突如神国メシアがスミリア王国へと宣戦布告。
戦争が開始した。
しかし、神国メシア側の軍は驚くほどに静かだった。
戦争開始から一週間。何の変化もなかった。
「どうなっているのでしょうか?」
鎧ではなく、スミリア王国騎士団の制服を着た男性が尋ねる。
「さぁ?わからん」
それに対してかっこよく鎧を着こなした女性が答えた。
スミリア王国騎士団の制服を着た男性は、まだ若いのにも関わらず、スミリア王国内部で圧倒的な才力を持ってして駆け上がり、参謀としての地位を確立し、神国メシアとの国境の警備を任されている優秀な人間だ。
鎧を着こなした女性はスミリア王国へと援軍に来たイグニス公爵家傘下の騎士団のトップとして送り込まれた人間である。
そして、彼女は『クロノス』の円卓メンバーの一人、ドライだ。
まだ会ったばかりの二人は、神国メシアとの国境部に作られている防衛戦の陣地内で、二人。
同じ空を見上げていた。
今日もまた、魔法は飛んでこない。
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