第76話
「意味がわからない意味がわからない意味がわからない意味がわからない」
大きく頭を抱えてブツブツと呟いている第二皇女。
そんな彼女の様子を眺めながら僕は落ち着いた様子でお茶をすすった。
ちなみにだけど、オラキエ公と第二皇女の会談は頓挫した。今、グニギラ連合国のゴタゴタなんかに構っていられられるほどの余裕はなかった。
それだけ、今回の件が与えたことの衝撃は大きかった。
プロテスタント。
僕の世界でも起きた、起きてしまった世界を揺るがしたインパクトの一つ。
教会の腐敗さ故に起こったその出来事は、その後の世界を大きく揺るがすことになる、イスラム教の誕生やキリスト教の東西分裂に並ぶ特大インパクトとなる。
そんな代物を僕はこの世界でも起こして見せた。
というか、もとより起こる土壌はすでに出来上がっていた。
僕はその最後のひと押しを起こしたまでだ。
まぁその最後のひと押しが重要なんだけど。
神国メシアに居た一人の宣教師が起こした事件。宗主権は教会にあらず、聖書にあると声を大きくして叫んだことによって始まった事件。
ちなみに一人の宣教師は僕の息のかかったものである。
一度起きた此度の事件は瞬く間に広がった。インターネットの炎上レベルで広がった。
そして、それをいくら神国メシアが弾圧しようとしても、決してその炎は勢いを落とすことはなかった。
その炎はとうとう国を燃やし、内乱と言う形にまで発展することになってしまった。
その内乱の規模はかなり大きなものとなっていることだろう。
なぜならこの内乱に異教徒までもが関わっているのだから。そうなるように僕が手を回しているのだから。
元々聖書では全ての人は平等であり、どんな人の考えであっても広い心で受け入れるということが書かれている。
しかし、神国メシアは教徒じゃないものは人にあらず、として容赦なく異教徒たちを断罪していったのだ。
プロテスタントたちは聖書第一。それ故に異教徒たちも広い心で受け入れる。
だからこそプロテスタントと異教徒たちが協力しあい、内乱と言う炎は神国メシアの最悪の予想を遥かに超える規模にまで発展してしまったのだ。
「意味がわからない意味がわからない意味がわからない意味がわからない」
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