第75話
「我が国内では民族同士の対立が激化している現状であり、犯罪係数も飛躍的に伸びている現状です。それに加えて……」
「長いわ」
必死にこの国の現状について伝えようとするオラキエ公の言葉を第二皇女はバッサリと切り捨てる。
「簡潔にまとめなさい。貴国が何をしてほしいのか。それを簡潔に」
第二皇女はつまらなそうにそう話して、目の前のお茶をすすった。
それに対してオラキエ公は一瞬呆けたような表情を晒してから、その後は饒舌に話し始める。
「まずはですね……」
オラキエ公は自らが望むものを嘘偽り無く話していく。
何の抵抗もなく。
基本的にこの世界では女性が侮られている。政治的駆け引きを女なんかが出来るわけがない。
そんな考えがオラキエ公にあるのだろう。
一切の警戒無くオラキエ公は自国の要求を果たしていく。
自らの要求を最初に全て話す。その事以上に愚かなことなど無いというのに。
一度油断させ、弱みをさらけ出させてから……蹂躙する。それが第二皇女の基本的な交渉方法だった。
ここから始まるのは第二皇女の蹂躙劇。
そんな時のことだった。
「失礼しますッ!!!」
扉が勢いよく開かれ、焦ったような一人の男が部屋の中に入ってくる。
「なんだ!不敬だぞ?」
それに対していきなり入ってきた男に向かってオラキエ公は睨みつける。
「すみません!しかし!あまりの大きな知らせのため!今すぐにでもッ!」
「……そうか。それで?何なのだ?」
「はっ!ど、どうやら神国メシアで反乱が発生したようでございますッ!!!」
「「は?」」
男の報告にオラキエ公だけでなく、第二皇女ですらアホ面を晒して驚愕する。
そんな中僕は心の中で笑みを浮かべる。
計画通り。
今の僕は心の中で某MOD男のような笑みを浮かべていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます