第70話
「ふんふんふーん」
……上手く行っている、と見て間違いないかな。
僕は裏路地。
裏路地で行われいる虐殺を見て心の中でほくそ笑む。
チトーのようなカリスマも持たず、14つの国境、13つの共和国、12の民族、11の言語、10の宗教、9つの文字を持つ一つの国家とかいう意味がわからなすぎる国家形態を維持していた奇跡のような国。
いつ崩壊してもおかしくない国を分裂させることくらい楽勝だった。
僕がやったことは簡単でとある殺人事件を起こして民族同士の対立を煽っただけ。
たったそれだけで各地で他の民族への虐殺が行われるようになったのだ。
「あぁぁぁ。辞め……辞めて……」
ナイフを刺され、息も絶え絶えの男が懇願の声を上げる。
「黙れッ!我が民族を汚す劣等種がッ!」
それに対して息も絶え絶えの男を囲んでいた一人の男が無慈悲にもその顔面に向かって足を振り下ろして完全に息の根を止める。
「うんうん」
裏路地で行われている虐殺は一つじゃない。
各民族の過激派が別の民族の人間を、男は殺し、女は集団強姦をしている。
「予想通り」
目の前で引き起こされている地獄を前に満足気に頷いて、裏路地から去る。
今のところ僕の計画は滞り無く進んでいる。
……度重なる失態を前に僕はちゃんと自分の目で上手く行っているかどうかを確認しないと我慢出来ないようになってしまったのだ。
「さて、と」
僕はおっかない裏路地を出て表通りの方へと出てくる
せっかく第二皇女から貰った休暇なのだ。有意義に過ごしたいものだよね。
「お」
僕は美味しそうな匂いを漂わせている高級店を前に足を止める。
「うん」
今日の昼ごはんはここにすることにしよう。
僕は軽い足取りで店の中に入っていった。
あとがき
ウクライナとロシアの状況を見るとこんな小説書くのどうなのだろうか……?
この後の展開も民族差別、戦争のオンパレードなのだけど……。
少し更新を休むべきかもしれないと思いつつ、毎日投稿を辞めたらPV減って、誰からも読まれなくなりそうで、怖い。
どうしよう……。
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