第67話
「……え?僕が行くんですか?」
僕は第二皇女の一言に首を傾げる。
「えぇ」
第二皇女は頷く。
「私と第三皇女のグニギラ連合国への出征についてきてもらうわ。ちなみに拒否権はないからよろしく頼むわね」
「承知致しました」
僕は第二皇女の言葉に頷く。
いやぁー、第二皇女と関わって一番良いことかもしれないね。これは。
「今回の件は非常に重要なのよ。……危険なことも多いかも知れない。それでも私はあなたを信じているわ」
「ありがとうございます」
僕は第二皇女の言葉に頷き、頭を下げる。
第二皇女に僕が国家転覆を考えていた公爵家の当主だと教えたらどれほど驚いてくれるだろうか?きっとものすごく驚いてくれるに違いない。
まぁ今の僕は第二皇女を皇帝位に就ける気満々だけど。
今回の行き先であるグニギラ連合国。
そこは、14つの国境、13つの共和国、12の民族、11の言語、10の宗教、9つの文字を持つ一つの国家。
つまり、悲惨すぎる内戦の果てに無くなってしまった7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持つ、1つの国家であるユーゴスラビアの上位互換の
チトーのようなカリスマは居なかったもの、それでも優秀な人間が協力して国家の運営を行っていたことによって一応危ういながらも国家を運営していた。
だったのだが、実はそこでとある事件が起きてしまい、国家の態勢が揺らいでしまったのだ。
それに合わせて神国メシアもグニギラ連合国に対して介入を開始。更に混迷を極めることになる。
グニギラ連合国と友好的な関係を築いていたローオス帝国もそれに対してノータッチというわけには行かない。
今回グニギラ連合国の介入のために第二皇女が抜擢されたのだ。
すでに混迷を極め続けているグニギラ連合国にローオス帝国まで介入したら大変なことになるだろう。
そんなところに行くのだ。それは危険の一つや二つあって当然だろう。
まぁそんな危険なんてないんですけどね。むしろローオス帝国の方が大変なことになるんだけどね。
グニギラ連合国で起きた事件は僕が起こしたものなので、今回の一件については大体のこと知っているし、結末もすでに決まっている。
いやぁー。僕がグニギラ連合国に行くのに少し苦労するだろうと予想していたので、思わぬ幸運だった。これで完璧な形でグニギラ連合国に行くことが出来る。
「それじゃあ準備をしてきて頂戴」
「了解致しました」
僕は第二皇女の言葉に頷き、今いる部屋から離れた。
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