第60話
「ガイア様……!」
「うむ。ご苦労」
僕は近寄ってきたフィーアに向かって労いの言葉をかける。
僕が公爵家の当主だと知り、慌てまくった行商人と一緒に僕はギリア族に与えた北の領地へと来ていた。
ちなみに行商人も目的地を変えて僕についてきた。まぁ、せっかく出来た公爵家当主との縁を無駄にするような人間は商人辞めた方が良いだろう。例え内乱状態だったとしても。
「皆の準備は出来ているか?」
「はい。それはもちろんにございます」
僕の言葉にフィーアが自信満々に頷く。
ガチャガチャ
遠くの方から鎧のこすれる音が聞こえてくる。
その音はこちらへと近づいてきていた。
「ガイア様!」
やってきたのは僕の元へとやってきたのは一人の男。
ギリア族、族長ギリレアだ。
「うむ」
「我らギリア族!いつでも出撃可能です!」
「うむ。承知した。我の馬は用意出来ておるな?」
「もちろんでございます。こちらに」
僕は歩き出したギリレアへとついていく。
たどり着いたのは馬小屋。
「これにございます」
そこにいたのは見たこともないくらいに立派な白馬。
「うむ」
僕は白馬へとまたがる。
白馬は僕が乗ったことを確認して、ゆっくりと動き始める。
向かう先は大きな広場。
すでに広場にはたくさんのギリア族の人間が集まっている。
「ご苦労」
僕は彼らに向かって一言労いの言葉を投げかける。
彼らは鏡のように顔を反射させるほどきれいに磨き抜かれたピカピカの鎧を身に纏い、立派な馬に乗っている。
どうやら出陣の準備は出来ているようだった。
「『炎神』」
僕は魔法を発動させる。
それと同時に発生する膨大な魔力と炎。それらは僕の元へと集まり、一つの巨大な鎧を作り上げる。
「では。皆の者。行こうか」
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