第58話
「はぁはぁはぁ」
ローオス帝国騎士団長。
魔法を持たない身にも関わらず、圧倒的な剣技を持ってして大帝国の騎士団長にまで登りつめた男。
そんな男は今、胸を抑え蹲り息を荒らげていた。
「……哀れなものですね」
一人しかいないはずのこの場所。
そこに一つの高い女性の声が聞こえてくる。
「だ、誰だっ!?」
「ガイア様に忠誠を誓いし者ですよ」
この場に現れたもの……それはアインスだ。
「ガイア様……イグニス公爵家の次期当主様か。……ダメだ。今の俺は自分を制御出来ないんだ。近づかないでくれ……頼む。魔法を……圧倒的な魔法を使える者を……!」
「承知していますよ。あなたの今の現状は。ガイア様の命により私は今ここに立っているのですから」
冷静さを欠いた声の騎士団長に対してアインスはどこまでも冷静に言葉を返す。
「……っ!そうか……あの子が。……やはりあの子はやっぱり凄かったのだな」
騎士団長が安心したような声を上げる。
そして、蹲っていた騎士団長がゆっくりと立ち上がり、周りを見渡す。
騎士団長はいつの間にか目の前のアインス含め、計12名に囲まれていた。
ここに『クロノス』の円卓メンバー12名全員終結していた。
「教会のことは私たちに任せて、安らかに眠ってください」
「あぁ。……そうさせてもらうよ」
騎士団長の瞳から光が消える。
そして、騎士団長は剣を抜き構えた。
■■■■■
「どうやら終わったみたいだね」
僕は騎士団長が血流し、倒れているところに降り立つ。
円卓のメンバーたちはちゃんと騎士団長に勝てたようだ。
「はい」
僕の言葉に円卓のメンバーを代表してアインスが頷く。
「これが例のものです」
「ありがとう」
そしてアインスから一つの宝玉もらう。
この宝玉。これが騎士団長の精神に影響を働きかけて、おかしくした元凶だ。
これの具体的な効果については後々調べることにしよう。
まぁこれが何なのかの予想はすでについているけどね。
「
「あぁ。あと僕が領地に帰ったら緊急会議ね。最後のピースがようやく動き始めそうだからね」
「承知致しました」
「じゃあ僕はさっさと貴族たちにお金を貸してくるから、後のことは任せたよ。あそこに集まろうね?」
「承知致しました」
ちゃんとチェックを終えた僕はこの場から立ち去る。
「お疲れ様でした。アイグさん」
この場から離れるその瞬間に僕は小さな声でそう囁き、この場から去った。
あとがき
時系列バラバラなん許してな?
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