第56話

 結局。

 結果。

 王都王立裁判所の結果。

 第五皇子は有罪となり、牢屋にぶち込まれた結果となった。

 そして、第五皇子に付き従っていた貴族たちのほとんどが罰金。一部の位の高い貴族たちが領地没収という結果に落ち着いた。

 没収した領地は王家の土地となることに決まった。

 

 僕は罰金刑に処して、お金を分け与えることで恩を売ろうとし、エリュンデ公爵家当主は僕の影響力を広がるのを阻止するために行動する。

 

 途中から第二皇女の裁判でも、第五皇子の処罰でもなく、僕とエリュンデ公爵家当主の政戦になっていたし。


 裁判時間計5時間。

 そのうちの4時間は僕とエリュンデ公爵家の政戦だった。

 一体何をしているんだろうね?……裁判所でやることじゃない。……まぁこれで僕の凄さは知れ渡ったことだろう。

 不本意ながらね!まったくもって不本意なことだけどね!

 これであいつらも満足だろうよ!!!


「失礼するよ」

 

 僕は平然と扉を開け、中に入る。

 ここは王都にある遠くからやってきた貴族たちが滞在するための大きな屋敷だ。

 僕が会いに来たのは、この屋敷に滞在している一人の貴族。

 扉を開け、部屋の中にいるのは太りに太った貴族だ。

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