第17話
ガナダルシア砦。
その無骨な砦の廊下を歩く。
コツコツ
僕の足音がその場に響き渡る。
一つの無骨な扉。
僕はその扉の前に立つ。
コンコン
その扉に手を伸ばし、軽快に叩く。
「どうぞ」
部屋から綺麗な声が帰ってくる。
「失礼します」
僕は目の前の扉に手を伸ばし、ゆっくりと開いた。
中に待っているのは第三王女。
執務室の椅子で背筋をピンッと伸ばして、綺麗な姿勢で座る女性。
腰まで伸びた綺麗な青色の髪に、王国一の美貌とまでも言われた整った顔立ち。
ぱっちりと開かれた綺麗な翠色の瞳は優しげな色を見せ、こちらを見ていた。
そして何よりも男性諸君ならまず視線が行くのがその胸。
豊かな胸。
爆乳!!!
間違いなくそこに視線が行くだろう。
まぁこっちの世界に転生して女を抱きまくった僕は平常心を保てるが。
「スシャーナお姉さまからの援軍の人ですね?」
「はい。援軍と言えるほどの力がある人間ではないですが……」
「いえ。スシャーナお姉さまからは優秀な子であると言われていますよ。どうぞ。座ってください」
第三王女は自分の前の空席に手で示す。指は刺さない。そこにどことなく気品を感じる。
「失礼します」
僕は席につく。
ここはガナダルシア砦。最前線。王城とは違う。それ故にこうして簡単に面会することが出来る。面倒な手続きとかは必要ない。王城で会うとなると、もっと面倒なことをする必要があるのだ。
まぁ僕が第二王女から送られた人間であるということも大きな理由だろうけど。
僕は目の前の第三王女に視線を送り、目と目を合わせる。
目と目があったらバトル!なんて言う物騒な世界ではない。
第三王女。
第二王女が絶対王者としての威圧感、オーラをまとっているのだとしたらこの人は逆。お姫様だ。守ってあげたくなるような儚げなオーラをまとっている。
これでとんでもなく強いというのだからとんでもない詐欺である。
「改めて自己紹介を。私はローオス帝国第三王女ミリア。と申します。どうかよろしくおねがいしますね」
誰もが魅了される笑顔を見せ、第三王女は座ったまま惚れ惚れするような一礼をしてみせた。
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