第11話
「はぁー」
僕は前世ほど柔らかくはない豪華なベッドにダイブする。
前世のベッドが欲しす。なんか豪華しすぎて寝にくい。目がチカチカするんだぜ。
「ふぅー」
僕は今日学校での出来事を思い出す。
……予想外。完全に予想外だ。
第二王女がこちらに接触してくるとは思わなかった。……いや、予測はできたはずだ。気付けなかったのはこちらの落ち度。怠慢。
気づけた。気づけたはずだ。もとから僕は第二王女から王位に就くなら平民からの絶大な支持を受ける他ない、と予想していたはずだろう。
それならばあの学園の数少ない平民であり、一番優秀だった僕に目をつけるのは至極当然。自分は平民であっても能力があれば重宝するというアピールになるのだから。
これにより能力に自信がある平民たちは第二王女の元に集まっていく……。
「はぁー」
僕はクソデカため息をつく。
こんなんで頑張れるのかなぁー。
まだ何も始まっていないのに、一手目どころから一手目の前準備の段階で躓いたしなぁ。
こんなんですべてを操りきれるのか……。
別に第二王女が力を持ってくれるのは全然構わないどころか、万々歳。
むしろ僕が第二王女の配下となれるなら情報も集めやすく、今回の件は僕にとって嬉しいことばかりだ。
だが、読めなかった。その事実が僕に重くのしかかってくる。……吐きそう。
それに、第二王女が僕の正体に気づいているのか、気づいていないのか。それはまだわからない。
正体を知りながらあえて手のひらの上で踊らせているという可能性も十二分にあるのだ。
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああああああああああああ!!!
発狂する。
吐く。
このままじゃストレスでハゲそう。若くしてハゲるとか嫌すぎる。
「ふぅー」
切り替えろ。
切り替えていけ。
「んしょ」
僕は立ち上がり席に座る。
そして机から紙とペンを取り出す。
第二王女のせいで少し作戦を変える必要がある。あと、これから第二王女がどうなるかの予測も。
それに他の人がどう動くかも再度考え直さなくてはいけない。
第二王女の時のような失態を犯すわけには行かない。相手がどう動くか。それを予測できなければ何も始まらない。他にダークホースはいないだろうか?
「うーん」
僕は食事も忘れて思慮を巡らせた。
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