第2話君の趣味は聴いていない

僕の知り合いで55歳の男性と結婚した23歳の女の子がいる。

ある日、悩み事があると言うので、その子の同級生の友達を連れて居酒屋に行った。

若い連中には赤提灯より、居酒屋チェーン店の方がよい。安いし。

悩み事の事は忘れてしまったが、強烈なカミングアウトを忘れられない。

「実はわたし達レズだったんです」

「へ、へぇ~」

「高校時代は援交やってました」

「そうかい、そうかい」

これしきの事で心踊らすバカではない。

知り合いの女の子はどうでもいいが、友達がかわいい顔して、間違いはだれでもあるから、または、性的指向には文句は言えまい。


しかし、生ビールが不味くなる発言を知り合いの女の子が発するのだ。

「わたしって、お風呂場で旦那の顔にオシッコかけるのが好きなんです」

「び、ビールがしょんべんに見えるじゃねーか!バカッ」

続けて、

「実はオシッコ掛けられるのも好きなんです」

「わ、分かった。それ以上、お前はしゃべるな!」

僕は深く反省した。飲みに連れていく人間を間違ったと。

朝青龍みたいな顔で鮟鱇型あんこうがたの女の性癖など興味はない。


レズは許す。援交は相手が悪い。しょんべんは吐き気がする。

世の中には、色んな人種がいるがこんな身近に、変態がいたとは。

だから、酒を飲んでると学ぶべき事が多い。

この日を境に、僕はヒトは見た目じゃ分からんと痛感した。

その日は高い授業料になった。

それから、彼女は男を作り離婚した。2人の子供は現在60過ぎであろう、元旦那が面倒見ていると聞く。何がしたいんだ!クソが!

僕は無責任な親が大嫌いなのである。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る