居酒屋でコペルニクス的転回が起こる

羽弦トリス

第1話ゲイだった同級生

それは僕が大学生1年の時。

九州から上京し、大学受験のストレスから解放され遊びまくっていた19歳の僕は家賃が安いと言う理由で埼玉の東松山に住んでいた。

そこに遠路はるばる、八王子から高校の同級生が家に遊びにきた。

彼の第一声が、

「羽弦君、チョーかっこいい」

だった。

もう、名前も忘れてしまったが彼と白木屋で飲んでいた。まだ、口がお子ちゃまの僕達は甘いカクテル、酎ハイ、何ぞを飲み会話した。


内容は大学生活の話が専ら。

彼は今夜は僕んちに泊まりたいと言う。

「いいよ。今夜は朝まで飲み会だ!」と言いながら、杏露酒や缶酎ハイ何ぞを買い帰宅した。

僕達は2人でグダグタになるまで、酔ってしまい、交代でシャワーを浴びて、彼にとっては大きい部屋着を貸した。身長差があるから。


さて、寝る事にしたのだがシングルベッドに彼を寝せて、僕は絨毯の上で寝ようとした。

彼は、

「羽弦君、一緒に寝ようよ。じゃなきゃボクも下で寝る」

と、言い出し僕もベッドの上で寝た。

すると、今思い出した!○○君は、

「ねぇ、羽弦君。ボクは高校の時ずっと羽弦君のことが好きだったの」

「へ、へぇ~」

「でも今ね、ボクは26歳の彼氏いるんだ。1回2万円もらえるの?」

「何が、2万円?」

「口でヌイてあげるの。だから、今夜は特別、羽弦のヌイてあげようか?」


「ヒィッ!い、いいよ。僕は。彼女いるし」

「羽弦君、お願いだから1回だけキスさせて!」

と、言うので酔ってた事もあり軽くキスをした。

そして、寝てる間に何されるか分からなかったので、部屋の明かりを点けて、朝までのんだのである。

この時、初めて気付いた。僕は男の子からも好かれるタイプなのかと。

最近、BLネタを仕込んでいるといつも、○○君の事を思い出す。

これをきっかけに、恋愛は男女間の間だけに存在するのではないと、深く考えるようになった。

今頃、○○君はどこにいて、何をしているのだろうか?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る